●「センター特化対策」
まず,志望校におけるセンターと2次試験の配点比率によって,どの程度この「センター特化対策」に力を注ぐかを考えてください.典型的な例を挙げれば
  医学部:しっかり!
  東大・東工大:なるべく軽く済ます

以下では主に前者:「しっかり対策する」人向けに書きますので,気合を入れて書かれた「勝てるセンター」で対策することを前提としています.東大・東工大等志望者向けには別項目を設けてありますが,以下でも一部,その旨断った上で述べます.

□センター特化対策3段階
① 基本事項総チェック
センターでは高校数学(ほぼ)全範囲から満遍なく出題されますから,どの分野にも基本知識のモレがあってはなりません.「勝てるセンター」の「基本編」をやり,解答を熟読して総チェックしておきましょう.「目標時間」はあまり気にせずやってください.
この①の中で,「センターでしか出ない分野」もチェックしておきましょう(ここは東大・東工大志望者もやらねばなりません).具体的に言うと
  平面図形,集合と論理(数学A)
理系生にとっては
  三角比(数学Ⅰ),指数と対数(数学Ⅱ)も

とくに平面図形,三角比については,2次私大向けの図形的センスを磨くという目的も兼ねて,少し早めの時期からしっかり対策して下さい.「勝てるセンター」の基本編から始めましょう.

② センター形式慣れ
ここがセンター特化対策の中核です.「勝てるセンター」の「実戦編」をやって,「空欄との対話」「視覚的解法」といった勘所をマスターしましょう.単に解いて答合わせをするだけでなく,必ず解答・解説を熟読して重要ポイントを押さえて行くこと.「制限時間」については,初めはあまり気にし過ぎず,徐々に気にかけるようにすればよいでしょう.
なお,対策①②においては,各分野毎に基本編→実戦編とセットでやるようにしてください.基本事項が問題解法の中でどのように使われているかが把握しやすくなりますので.
ついでに1つ注意.この対策②を,ただマーク形式の問題が載っていて当たり障りのない解答が付いているだけの人畜無害本でやっても無意味です.一度,「勝てるセンター」を本屋さんで手に取って解答・解説を見てみれば,前記人畜無害本との違いがわかると思います.
センター特化対策の中で,この②がいちばんエネルギーを要します.東大・東工大志望者の人は,なるべくしないで済ませたいところです.

③ センター実戦テスト
②がある程度進んだ段階で,実戦形式の問題セットを60分という制限時間の中で解いてみます.もちろんマークシートを塗る作業も含めてすべてを本番さながらに.これを1,2度やると,その時点での自身の到達度,抱えている問題点が浮き彫りになると思います.それに応じて,①→②に戻りましょう.二度目以降の①においては,解くのは一度目で躓いた問題中心にして,他は解説に一通り目を通すだけでもよいかと思います.
あと,ただ漫然と実戦形式演習を行うのではなく,各回ごとに何かテーマを決めてやるのがよいでしょう.たとえば「今回は詰まったらスパッと飛ばそう」とか,「今回はとにかく頭から全問解き切る覚悟でやるぞ!」とか,あるいは失敗しちゃったとき対策として,「60分のセンター試験を,あえて50分で7割目指す」とか・・・そのような多種多様な体験が,本番で起こりうる様々な非常事態を切り抜ける力の源となるでしょう.
なお,「実戦形式の問題セット」として何を使うかについては,「センター実戦テスト素材」の頁を参考にしてください.
この③は,ある程度センター数学のコツをつかんだ上で行う「力試し」的な要素が強いので,解答が人畜無害な本でやってもそれなりに役立つとは思います.
東大・東工大志望者の人も,センター試験直前期になったら必ず実戦テスト数セットはこなしましょう.

まとめると・・・
A:数学の実力を伸ばすための“普通の”勉強と並行して・・・
B:センター特化対策①②←→③の繰り返し
となります.そして,センター直前になるにつれ,徐々に「B」,とくに③の比重を増していきます.
ただし,「基本編」は一度マスターした後も,ときどき漏れがないかチェック!2008年ⅡBの三角関数の周期とか,2009年ⅠAの2文字の因数分解とか,予期せぬ出題に対処するために,この基本編はやはり漏れなく,完璧にしておきましょう.

【注意!】センター特化対策に重きを置く時期も,センターで出題されない数学ⅢCなど,2次私大向けの勉強も,軽くでもかまいませんから継続しましょう.

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