空港から街中へは重い荷物をなるべく自力で運ばなくてもいい経路を選びました。市内のエアターミナルまでバスで行き、そこからはTaxiという作戦。ところが、乗ったTaxiがおばさんの運転手だったので、結局荷物は自分たちで積み下し(その分、チップは少な目でいいよと言ってくれましたが、こんなことに感動するくらい、私はこの街が好きです)。チェックイン後、フロントで音楽関係のプログラムを一覧(出発前にInternetでオペラのプログラムを調べ、FAXで予約を入れようとしたのですが、すでに売り切れだったので、夜の楽しみは現地で考えようと出かけてきたのでした)。飛んでくる機内でWienの催し物案内らしいドイツ語の小冊子を見て見当をつけていたのが、翌日の楽友協会(かのニューイヤーコンサートの会場です)。オーケストラの演目がMozartだったので、「これ、これ」と切符の調達を依頼(衝動買いの第一歩でもある)。
←Dvorakの名前も一瞬見えた気がしたが、これが後でとんでもない事態になろうとは予想もせずに。 無事到着を自宅に報せるべく、持参したHP-100LXからPC-VANのFAXを使おうとしたら、no dialtoneの嵐。せっかく電話機からのコードが壁際のモジュラで取り外せたのに残念でした。結局、手書きしたものをフロントから送ってもらうことにしたのですが、85 AS(約 850円)は高いと思いました。ウィーンにもTimenetのAPはあったのに...。この後、旅先通信の経験を積んで、dialtoneがないときの回避策を学んだのでした。 (2)コンサート 翌日の昼過ぎに一度ホテルに戻り(シュテファン大聖堂からフィガロハウスに回って、ゼンハイザのヘッドフォンでMozartの名曲の一番おいしいところばかり聴いた後)、コンサートの予約を確認をしたら、あっさり「取れました」の一言。元音響屋として、名だたるホールの音響効果に期待して出かけて見たところ、舞台から10列目の中央というとんでもないいい席(中央だけは座席番号11番が二つあります)とわかり、これは裏に何かあるなと思ったり、でもここで文句は言うまいと思ったり。 オーケストラは何となく腕前がまちまちの感じのする人もいるし、指揮者も30歳そこそこという若さで、演奏より音に注目(耳か?)することに。出発前に聴いた某所でのコンサートとは正反対で、音の広がりと定位のよさが抜群。耳の感度試験のような時間を過ごしたような気がします。 そうそう、曲はポストホルン(セレナードとは言え大曲)と、何とまあ「新世界」。よりによって後者をこんなところで聴く羽目になろうとは思いもよりませんでした。もう何十年か前に卒業してしまった曲という意味で(中学の鑑賞曲か何かでしたね。うちに来てこれを聞かせろという輩がたまにいますが、そんなものは置いていないと黙ってお引き取り願うことにしています)。 選曲から見て管楽器のうまい人が集まっている集団なのかと邪推しながら聴いていたのですが、たまにメロディがずっこける場面もあったりしてかえって緊張しました(練習試合にしては高いぞ!)。あと、何と言ってもティンパニの活躍がすごく、最後に一人だけ拍手が集中していたのも納得できます。 まるで某大手放送局お抱えの交響楽団のTV放送のように、自然にパートごとに視線が向いてしまうのですから、ホール内の音場は理想的な広がりだったと思います(音響屋としては、これを体験しただけでも満足)。 モノラル主体で大曲を聴いていた私には、ただただ圧倒され続けた数時間でした。音量という観点でのダイナミックレンジもさることながら、小さい音もちゃんと聞こえるSN比のよさはすばらしいものでした(音、沈黙とはかりあえるほどに?)。トライアングルがこれほどに聴き取れる交響曲は初めて聴いたと思いましたが、これもホールと座った場所のせいでしょうね。間違っても(ショルティのように)全体に大音量側に偏った演奏だったわけではありませんから。 指揮:Robert Zelzer ('67年生れの若手) ウィーン楽友協会オーケストラ |
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