Schloss Linderhof & Schloss Neuschwanstein (Germany)                  Europe trip, March, 1997

 1997年の旅の記録の一部であり、かつLudwig II巡礼の一部にもなっています。帰国後に書いた旅の記録をなるべくそのまま使うことにして、誤記などの細かな手直しにとどめました(この色が追記・修正箇所)。写真は当時film scannerでdigital dataにしたのですが、元のfileが見つかりませんでした。大半は改めてcolour printからscanして新たに用意しました。他のpageと雰囲気が異なるのは、これらの歴史を背負っているせいです。
 ドイツ滞在の最終日、ノイシュヴァンシュタイン城に日帰りで出かけました。長い旅の記録の一部なので、前後関係がわかりにくい部分もありますが、全体の整理が終われば時間軸もつながるはずです。気長にお待ち下さい。

(9)ノイシュヴァンシュタイン城

 今回の旅の他の行き先に比べて、圧倒的に観光地としか言い様のないところですが、上記のように希望者がいては断るわけにもいきませんでした。出発前から情報を集めていたのですが、観光地の割には個人で行こうとする人が少ないのか調査が難航し、一時はミュンヘンから電車とバスを乗り継いで出かける覚悟もしたほどです。それとて、電車も直通ではなく、
乗り継ぎもあまりよくありませんから(出発前の時刻表での調査による)、かなり困ってしまいました。本来は団体旅行に組み込まれ、何も面倒なことを考えずに自動的に連れて行かれる性格のところだったようです。 
それでも出かける直前にミュンヘンから日帰りのバスツアーがあるらしいとわかり、泊まる予定にしていたホテルにFAXで問い合わせたら、あっさり予約を入れてくれました。まだ本格的な観光シーズンでなかったので、運行されている曜日も限定されていたのですが、そこは悪運の強さで、我々が予定していた火曜日はOKとの返事でした。
 チェックインの際に確認したら、朝も本来の集合場所に行く必要はなく、
旅行会社からホテルに迎えに来てくれるとのこと。おかげで、巨大なバスに4人だけ乗って連行される羽目に。それでも、ツアー自体は好況で、40人ほどの人が集まっていました。
 ガイドのおじさんの調査(個別に尋ねて回る)によれば、9カ国くらいから集まっていたようです。アフリカ以外の全大陸からでもありました。英語とドイツ語で専任のガイドによる説明があり、途中同じル−トヴィヒ2世が建てた別の城(リンダホフ城)の見学も含まれています。これで一人75DMは高くないと思いました。何と言っても、座っているだけで連れていってもらえるのですから、臨時の道案内兼ポータとしては、もう一つ兼務している通訳(と支払い係)に徹すればよかったので大変楽な旅でした。
ちなみに、二つの城の入場料はバス代とは別計算で、一人17DMを徴収されます。
使ったのはPanorama Toursというpackでした。
どちらの城も内部を見るときは、その城に常駐するガイドにくっついて歩くことしか許されていないので、小学生に戻った気分になります。それぞれのガイドは、さすがにそれで生計を立てているからか、わかりやすい英語で説明してくれました。
 リンダホフ城の方が王の偏狂性がよく見て取れますが、ものにこだわるたちの人は、危うく王に共感してしまいそうになったりもするようでした。ここはまだ季節的に早すぎて雪が残っているので、城の正面にある庭
(上の右側の写真)は見学できませんでした。
 城内は撮影禁止。 凝りに凝った造作を目に焼き付けるしかありません。
城の周囲はまだしっかり雪が残っていて、これからさらに山奥に向かうのが少し不安に思われるほどでした。
 ノイシュヴァンシュタイン城は、麓のホーエンシュヴァンガウという村(?)まで大型のバスで乗りつけ、そこからは山道を歩いて登るか馬車に乗るか、ミニバスに乗り継いで途中から歩くかの選択肢を与えられます(4時間ほどあるので、城の見物と昼食をすませるには十分です)。
 我々は迷わずミニバスにしたのですが、乗り場を探すのにちょっとだけ迷ってしまいました。Lislというホテルの庭から、そこのホテルが運行しているミニバス(日本流にはマイクロバス)が出ているのでしたが、このガイドが案内してくれたホテルとは競合関係にあるせいか、あまり詳細な説明をしてくれなかったのです。しかたがないので、ちょっと坂を下ったところにある地元の観光案内所に聞きに行って道がわかりました。

 
左の写真はバス乗り場から見上げた城。


 下は途中で見かけた案内図。ごく単純な表現です。
このバスも城に横づけとは行かず、右に坂を登ればマリエン橋(この橋の原型は城の工事中から存在し、ルートヴィヒ2世もここから工事の進捗を眺めたと言われている)に、左に登れば城に通じるという微妙なところで降ろしてくれます。 表題の写真はマリエン橋からの撮影。 
まあ、のんびり歩いても15分ほどで城の入り口には到達できるようでした(我々は途中で持参の昼食にいそしんだりしていたので、
寄り道しない所要時間は不明)。馬車で登る人も多かったのですが、歩いた人と大差ない時間がかかったようでした。


城の外観や内部は、各所で目にする写真の通りでした。
まあ実物を見たという程度の値打ちはあったでしょう。王が好きだったというRoyal blueが多用されていましたが、私が愛用しているMontblancのインクの名前もここから来たのではないかと、余計なことを考えたりしました。

 
右の写真は城から見たマリエン橋です。

 時代を感じることに、売店で城を扱ったCD-ROMを見つけました。59DMは高いかなと思いつつ、そこは物好きですから、しっかり買って帰りました。英独仏日(!)の解説入りというのがさすがです。帰国後確認したところでは、日本語のアナウンスは素人のお嬢さんに頼んだらしく、かなり落ち着かない出来映えになっていました。
 上の二枚は城を出てから周辺を撮影したもの。 右はマリエン橋を別の窓から撮ったものです。
下りはバスや馬車に頼らずに歩いた方が早いとガイドに言われたので、その通りにしたのですが、坂道の脇には花が咲き始めていたりして、ゆっくり歩く口実になりました。
 それでも景色に見とれるだけでなく、足許もよく見ている必要がありました。馬車は、古典的な産業(?)廃棄物を投棄して行きますから。

 他に眺めるべきは、Schloss Hohenschwangauです。王が若い頃滞在していた城で、Wagnerと初めて会った場所でもあります。
自由時間をfullに活用すれば、この城の見学も可能と聞いていましたが、再び山を登る気にもなれず、上と下から眺めるだけで終わりました。下の二枚がそれです。
 帰りのバスが待っている集合場所に来ました。上がSchloss Hohenschwangauを見上げたところ。

 右の二枚は後にしてきた城を振り返ったところです。
前日のミュンヘンは雨混じりの冷たい天気だったのに、この日は快晴で暖かく、城から歩いて集合場所のホテルに戻ったら防寒具などそっちのけで、まずbeerという状態。これが雪でも残っていたら悲惨な旅になるところでした。 16時にホーエンシュヴァンガウを後にしてミュンヘンへ。途中交通渋滞にも引っかからなかったので、18時前には中央駅前に着いてしまいました(朝の集合場所で降ろされるより、我々には便利な地点)。ここで解散。走行距離は350kmほどだったとガイドのおじさんが言っていました。
 最後のドイツ料理で夕食をすませ、明日の出発に向けて荷物の整理が大変!
 
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