『平和新聞ながさき版』コラム

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(2012年12月5日)
このコラム欄の執筆を頼まれ、さて420字何を書こうかな、と考える。そして、最近じっくり新聞を読んだり、ニュースを聞いたりしていないなと気づく。総選挙も始まったというのに。浅知恵ではニュースの深読みもできない。困り果てて、最近の自分の生活を省みてみる▼この1ヶ月で、長男が2度入院した。1歳児を入院させることは大変だった。24時間の付き添いが必要である。妻が産休中でなかったら、どっちが仕事を休むかで毎日大げんかになっていたと思う。有給休暇と子の看護休暇の日数増が必要だと感じる▼そして、つい最近次女が生まれる。母体の状態が危険な状態で緊急オペとなったため、1ヶ月分の給料がまるまる医療費に消える。つくづく医療費が高いと感じる。混合診療導入やTPP参加となったらどうなるか不安になる▼ついつい情勢を評論家的に見てしまいがちですが、こうした日々の具体的な要求から出発して、改革の展望を示す党に、20年かけて手に入れた私の大事な一票を投じます。(彰)
(2012年11月15日)
文化の日、合唱団「ながせん」の演奏会で「うたごえ」の魅力をさらに実感した。働く人たちに思いを寄せた労働者作曲家・荒木栄の没50年を記念したコンサートだったが、創られて半世紀を経た曲とは思えない新鮮さを覚えた▼「燃やせ闘魂」から始まり、「星よお前は」「仲間のうた」、「地底のうた」でしめくくるプログラムは、労働者の誇りとしたたかさ、優しさ、そして団結の素晴らしさをよみがえらせてくれた。今の時代だからこそ心に響き、元気がみなぎってくるのだろう▼半世紀前、全日自労のおばちゃんたちが歌った♪「手」を耳にしたとき「なぜこんなに胸に響くのか」と衝撃を受けたが、「ながせん」が歌う「ドックの仲間の歌」は、それと共通する奥深さをもって迫ってきた▼自らの思いを伝え、メッセージを発する「うたごえ」の醍醐味は、歌詞の素晴らしさとともに、より多くの人たちに伝えられてこそ大きな力となる。「うたごえは平和の力、たたかいの武器」。継続は力だ。がんばれ「ながせん」(☆)
(2012年10月25日)
このコラムへの執筆にあたって手元にある一冊の戦争体験集を改めて読み返した。医療や福祉に従事する若者が聞いた戦争体験。聞き取った後の感想には、率直なとまどいや「日本にこんな時代があったなんて…」という驚き、そして語ることでよみがえる悲惨な戦争体験を、「私たちのために話して下さった」という感謝と有り難さが、多々綴られていた▼私ももちろん戦争を知らない。しかし知らないからこそ考える。なぜ多くの人々が、こんなにも理不尽で、人としての魂をも奪われるような思いをしなければならなかったのかということを▼「二度とこんな体験を誰にもさせてはならない」という戦争を体験した人々の決意によって、平和憲法と今の平和な時代が構築された。「語り継がなければ」と戦争の悲しみを話して下さった人々の勇気に呼応し、私たちは想像がつかないながらも戦争と向き合い、そして平和への想いを更なる次の世代へと伝えていかなければならない。(Er)
(2012年10月15日)
11月3日は文化の日。66年前に日本国憲法が公布された日である。半年後に施行された5月3日は憲法記念日として親しまれている。国民の祝日にまでなり、年に2回も記念日があるのに「押し付け憲法」と改憲を求める声が聞こえるのは非常に残念なことだ▼先日、一部で報道されたニュースには誰もが呆れた事だろう。東京維新の会が都議会にて大日本帝国憲法復活請願に賛成した。即座に与野党の反対で不採択となった。請願は主権を国民から皇室へ戻すという内容だ。時代錯誤的な請願がなぜいまなされるのか。曰く現在日本が抱える様々な問題を解決する為なのだとか▼かつては憲法九条の改定を求める改憲論が目立っていたように思う。原発事故や領土問題に対する政府の曖昧な態度に業を煮やした結果、国民を導く強大な権力を求める傾向にあるのではないだろうか。しかし、間違えてはいけない。日本を先の戦争に導いた憲法に現行の平和条文は存在しないことを忘れてはならない。何より国民が主役でなければ国の問題は解決できないのだから。(み)
(2012年10月5日)
娘と2人で私の祖母の家に泊まりに行った。私は、両親が共働きだったので、中学時代まで年の3分の1以上は祖母の家に泊まっていた。その頃は祖父も生きていて、とてもかわいがってもらった▼祖母は82歳。戦後、16歳で結婚し農村で貧しいながらも6人の子どもを育て、80歳まで現役で働いていた。そんな祖母が21世紀の現代日本を見ると、戦後の方がまだ良い時代だったと感じるそうだ。戦後は金も物も何もなかったけど、いい暮らしができるという希望が日本全国あったし、実感もできた。今は、豊かな社会になったはずなのに、逆に国民一人一人は、金を追いかけ時間に追われている。青年の半分は低賃金・不安定雇用だ▼現代日本では、多くの青年たちが脱原発の運動に立ち上がり、今では20万人を結集させる運動に発展させた。一方で、中国や韓国に対する排外的な運動にも多くの青年が参加している。青年が社会を動かす大きな力となっていることは確かだ。祖母たちを苦しめた戦争を二度と繰り返さないためにも、平和委員会を広げ、青年達に真の展望を示したい。(彰)
(2012年9月15日)
今日今まさにこのコラムを書いている最中に、毎月9日11時2分に流れるあの追悼の音楽が聞こえてきた。あの悲惨な原爆投下から今年で67年▼弟妹たちは「今日もう9日!?模擬試験が~!」と困惑したり、「もうお昼だ~。お腹空いた!」とわめいたり…。しかし母親は「この曲たまに流れるよね?何でやろ?」とはてな顔▼弟妹たちは「え~!原爆の日だからだよ!知らなかったの!?」とびっくりしていて、私は弟妹達が「もう!お母さん原爆の悲惨さとか平和の大切さについて全然知らないんだから!」と怒っている光景に驚いた▼何年も長く生きていても、やはり関心や興味がなければ知らないままで終わるし、そうあってほしくないとも思った。一人でも多くの人に67年目のあの日の事を、少しでも考えてもらって、どんな過去があって、今私たちが平和に生きていられるのかを考える輪を身近なところから広げていきたいと感じた休日だった。(Er)
(2012年8月25日)
ロンドン五輪が閉幕したが、これまでにない清々しさを感じた。「家族や仲間がいてくれたからがんばれた」「さらに上をめざし挑戦したい」と家族や仲間の支えに感謝の言葉に涙した。夢の実現にむかって努力を重ねてきた自分と仲間を信じ、力を出し切った一人ひとりの姿が美しかった▼両足義足のランナーがオリンピックに初挑戦し、民族の風習でスカーフを髪に巻き懸命に前走者を追う女子選手。その挑戦をたたえる大観衆の惜しみない拍手に、世界の平和を重ねた▼日本の上田団長が「金メダルが目標の半分に届かなかった」と会見で嘆いていた。筆者は真っ先に、力を尽くし多くの感動を与えてくれた全選手の努力とがんばりにこそねぎらいがほしかった▼ロンドン五輪のさなか、アメリカの15%にも満たない日本の五輪強化予算がテレビで話題になった。財政面を含め、選手たちの血のにじむような日々の努力とは裏腹に、政府は10日、スポーツ選手を含む全国民に一層の負担を強いる消費増税案を強行した。(☆)
(2012年7月25日)
梅雨が明けて暑さが本格化すると「今年もこの季節がやってきた」と感じる▼夏と言えばわれわれ長崎県民が忘れもしない8月9日、終戦…。猛暑に頭をくらくらさせながら、被曝遺構を巡り、「あの日」に思いを馳せる。辛い戦争の記憶はまだこの世に生まれていない私にも語りかけてくる。悲しみの遺跡は世界各地に遺っている▼お隣り韓国西部の群山市には、植民地時代に建てられた日本家屋が今も残っている。一時は数千人もの日本人が住み、日本への米の積み出し港として栄えた。3年前から国と市・県が費用を出し合い、建物の保存と復元に着手し始めた▼過去に「植民地時代の残滓は撤去すべき」として旧朝鮮総督府が取り壊された経緯もあるなか、「文化遺産と位置付けて宣伝し、観光客を呼び込みたい」と語るのは同市長。ただし、植民地時代の美化に繋がるのではという懸念の声も出ているそうだ。歴史遺構をどのように残していくのか、この先注目できそうだ。(み)
(2012年7月15日)
九州電力から計画停電のお知らせが、我が家にも送りつけられてきた。計画停電の対象ではなかったが、まるで玄海原発を再稼働させないことの報復のような感じがした▼計画停電の影響はライフラインにも及ぶ。長いトンネルには換気用の大型扇風機があるが、これも止まってしまうのか。そうなればトンネル内に一酸化炭素が充満するため通行止めするしかなくなる▼ちなみに、県内で計画停電の影響が全くない所がある。佐世保の米軍基地だ。これも「おもいやり」の一つなのか。それとも米兵犯罪の裁判権を放棄したように電気事業でも主権を放棄した密約でもあるのか。そもそも在日米軍は電気代タダだ▼この国は誰がための政治を行うのか。奇しくも民主党から離れて新会派の「国民の生活が第一」が結成された。3年前の政権交代時のスローガンそのままであるが、今では虚しさしか残っていない。いや「私たちの運動で変えることができる」という希望も私にはまだ残っていた。さあ総選挙も近そうだ。(彰)
(2012年6月25日)
先日中学生の弟が、私に一生懸命話しかけようとするので「なに?」と聞いてみた▼弟は「姉ちゃんさ。戦時中日本が中国とか朝鮮の人たちにどんなひどいことしてきたか知ってる?俺は絶対戦争したくない。やっぱり歴史を知らないと。戦争があったから今の沖縄とか佐世保の基地問題もあるし…安保とかも何で続けてるんだろう。相浦のおばあちゃんの家に行っている時は、『基地ってすごい!』としか思ってなかった。学ばなきゃいけないこと沢山あるよね」と長々と話した▼ 私もまだ20歳代で「若い世代が頑張って平和をつくっていくんだ!」と言われるが正直「平和」が何なのかわからないところも多い。でも、弟と話をして、弟妹達に、下の世代に、正しい事実を、正しい目で見て、正しい心で感じて、正しく行動できる大人になってもらいたいと思った▼私が自分なりに平和の事を考えるのは、大切な人たちに幸福でいてほしいからなのだと改めて感じた日だった。(Er)
(2012年6月15日)
「もう原発事故は起きないだろうー」と、大飯原発再稼働を発表した首相の無責任ぶり。17年前、消費税5%導入後の不況深刻化などどこ吹く風、「消費税を10%にしなければ何も始まらない」と脅しの論理▼いかにも説得力に欠けるが、マスメディアがそれらを無批判に垂れ流す構図は黙過できない。「朝日」などの全国紙は、「(消費税増税は)待ったなし」と共鳴し合う。NHKの某ニュースキャスターは、「(自民・公明と)折れ合う必要がある」「いい顔だけではすまされない」などと、消費税増税をけしかける。「歴史は繰り返す」というが、「歴史に学ばない者は、己を滅ぼす」ということばもある▼国民目線のかけらもないニュース解説に「NHKは政府広報か」「どこを向いて報道しているの」と、我が家の「ニュース問答」は激しい。かつて随筆家の串田孫一さんが、TVニュースのふがいなさに怒り、スリッパでTV画面を叩いたことがあった。我が家では「メディアよ。目を覚ませ・・」と妻の怒りの声が飛んだ。(☆)
(2012年5月25日)
5月15日、沖縄が本土返還されて40年が経った。在日米軍基地の7割以上が県内に集中する現実を本当の返還と言えるのだろうか▼琉球新報が毎日新聞と合同で行った意識調査に注目したい。基地の現状を不平等と感じる人は沖縄県内で69%、全国で33%。やむを得ないと感じる人は全国で37%と上回った。普天間飛行場の県外・国外移設を求める声が強まっている事実をみると、戦後から今だに続く米国支配による沖縄県民の苦悩を窺い知ることができる▼とは言え自分の地域に基地が移転してくるのを望む人は少ないだろう。沖縄の県益か国益かという問題ではなく、安保・地位協定の問題なのだ。基地を国内でたらい回しにする議論から抜け出し対米従属の実情に目を向けたい。沖縄県民だけでなく、国民全体の課題と言えよう▼米兵による犯罪や事故、騒音などにさらされながら実際に暮らしてみなければわからない苦悩がある。沖縄をスケープゴートにしないよう、あらためて声を上げていきたい。(み)
(2012年5月15日)
昨年東日本大震災が発生した際、地方整備局と地元の建設業者と労働者が奮闘して、四日間で15本の道路を開通させた。そして、自衛隊の救助活動へと繋がった▼しかし、両者のその後の評価は対照的だ。自衛隊の存在が大きくクローズアップされたのに比べ、建設業の評価は低いまま。そのことについて『日経コンストラクション』で特集が組まれた▼自衛隊幹部によると、「税金どろぼう」と言われ続けた自衛隊は、この2、30年来「発信力」をみがいてきたと言う。基幹産業のない地方部にとって、若者の働く場として誘致合戦が繰り広げられている。今や、国家公務員の2人に1人は自衛隊員だ▼もうすぐ日本平和委員会の定期総会を迎える。前回総会で掲げた、2万人の平和委員会に向けて(将来的には自衛隊員を越える会員数を目指して)、身近なところから「あなたも平和委員会に」を発信し、広げよう。ながさき平和委員会のこの1年間の運動に自信を持って。(彰)
(2012年4月25日)
 少し体調を崩し、生まれて初めて入院した。普段は医療機関で働いている私でも勝手が分からず、「患者様は入院時、もっと大変なご苦労をされていることだろう」と、患者になって初めて患者様の気持ちが少し解った気がした。▼入院時、夜は眠れないことが多く、過去のことや先の不安などいろいろと考えてしまう日々だった。主治医の先生に相談すると、「自分を甘やかすことと許すことは違うよ。過去は絶対に取り戻せないし、未来は予測することができないから憂いてもしょうがない。だから『今の自分』を一番幸せにしてあげないとね。」と励まされた▼「自分の幸せ」は何だろうと考えてみたとき、何のことはない、自分自身も含め、家族や大事な仲間の笑顔が思い浮かんだ。不安や脅威があると人は笑顔になれない。私の解釈での笑顔=(イコール)幸せだとすると、それはそのまま戦争や武器のない、平和な世界であり、そしてその幸せを『今』創っていかなければいけないと改めて感じた入院生活だった。(Er)
(2012年4月15日)
「政治的判断で」とか、「政治結着を」といった言葉がやたらとニュースに登場する。広辞苑によれば、「政治的・・」とは「意思決定に他者の犠牲(制裁)を伴って従わせる」とある▼それが今や、消費税増税や原発再稼働、TPP(環太平洋連携協定)など国民多数が疑問視する諸課題を、結論ありきでゴリ押ししようとする野田政権の最後のカードになっている▼どんな世論調査をみても国民の意思は明確なのに「どうしても必要なこと」の一点張り。「ことばだけが先走っている」と野田首相を評する人は多いが、「俺は総理だ」「最後は俺が決める」と懸命に思い込もうとしているのだろう▼「情報を自分に都合よく解釈する」心の動きを「正常化の偏見」というそうだ。国民を納得させうる論理性もなく筋もとおらない。対処療法にもならない策を弄する権力者が、八方ふさがりの時に使う最後の手段であり「国民不在」の別の表現なのだ。眉に唾付けて聞けば本質がみえてくる。(☆)
(2012年3月25日)
4月23日はドイツ・ビールの日。1516年のこの日にドイツで『ビール純粋令』が定められた記念すべき日である。毎年ドイツ国内でイベントが開かれる▼伝統的な製法を守りながら現代人にも愛される美味しいビールを作り続ける秘訣は原料にあるという。ホップや大麦はどれも醸造所付近の農場で穫れたもの。ミュンヘン市ではビールに使用する地下水を安全なものにするため、農薬を使った農法から有機農法に転換させる取り組みを行っているそうだ。自然環境と食べ物(生命の源)の関わりをよく知っていればこそ、自然を守ろうという働きが起こる▼ドイツは福島第一原発事故から3日目に自国の老朽化した原発7基を一時停止。その後、2022年までの脱原発を宣言した。この一連の動きは原発事故当事者である日本のなすべき事だと思う。大事故を起こしておきながらも、原発建設を進めようとする日本。悲しいことに垂れ流した放射能は海洋を汚染し、地球全体に広がりつつある。未来の為にどうあるべきか、いまこそドイツに学ぶ時かもしれない。(み)
(2012年3月15日)
東日本大震災から1年が経ちました。現在も行方不明の方が3千名以上、不自由な仮設住宅生活や遠隔地への避難生活を余儀なくされている方も大勢おられます。被災地・住民本位の復興へ、改めて力を尽くそうと誓いました▼さて、確定申告の時期ですが、それが過ぎると恐怖の消費税の納税が待っています。ただでさえ資金繰りに四苦八苦しているのに、数十万円というまとまった金額を納めるのは本当に大変です▼今国会では国家公務員の賃金削減が決定されました。地方公務員や民間労働者に対して計り知れないマイナスの影響が出てきます。そこに消費税の増税です。かつての日本なら一揆が起きてもおかしくないのに、静か▼それは運動の主体にも原因がありそうです。現在、TPPなどでは立場を超えた一致点での共闘が広がっていますが、意外と同じ立場の人たちと共同が広がっていません。伝えー伝わりーつながる。伝えているつもりなのに、伝わらない、つながらない。伝わる「コトバ」について私たちも考えてみませんか。(彰)
(2012年2月25日)
10歳年下の弟の出産時のことは今でも鮮明に覚えている。その頃の母は過労で出産が体力的に厳しく、胎内の弟は首にへその緒が絡まっていて、難産だった。先生から母か弟かどちらかの命を諦めなければいけないかもしれないと告げられた。母は一切の迷い無く「子どもを助けてください」と言ったそうだ▼今でこそちょっとした喧嘩のときなど「も~!あの時子どもはいいですって言えばよかった!」などと笑って話すが、自己犠牲などという言葉では説明できない、親の愛情の深さを知った。私たち一人ひとりがこんなにも望まれて生まれてきたこと、この世に生を受けたのは奇跡だと思った▼あの忘れられない3.11から1年が過ぎようとしている。大切な人を失った方がたくさんいる。生きるのが辛いと感じている方がたくさんいる。でも誰もが愛されてこの世に奇跡的に生まれてきたこと、そしてそんな存在の自分自身をどうか大切に生きていってほしいと心から願う。(Er)
(2012年2月5日)
1月末に介護福祉士の筆記試験がありました。結果はまだだけど、家族みんながハラハラした第一関門はとりあえず終わりました▼試験会場には老若男女が集いましたが、その光景に少し違和感が残りました。言葉通り「老」と「若」ばかりで、30代前後~の働き盛りの世代が全然いなかったからです。結婚を機に男性が「寿退社」をしていくのを幾度となく目にしているので、うなづけなくもなかったのですが▼今日本では「ゆりかごから墓場まで」どんどん破壊されています。「子どもが大好き」「お年寄りにありがとうと喜ばれるしごとがしたい」、保育や介護の現場ではこうした職員の「善意」によって成り立っていると言っても過言ではありません。と、書けば書くだけネガティブな文が続いてしまう・・・▼昔から軍事と福祉は「大砲かバターか」と議論されてきたと聞いています。大砲に世論が誘導される中、バターに引き戻さなきゃ、と家庭や子育て、仕事に活動と沢山のものを天秤にかけて目が回っている毎日です。(YS)
(2012年1月25日)
被災地で、生命の尊さを歌い「核兵器も原発もいらない」と訴えるうたごえコンサートが人気だ。スポーツ選手が、「子どもたちに夢を与えたい」と自らの目標を語り、限界に挑む姿は美しい。文化やスポーツがもつ力と人間愛を感じるからだろう▼片や、この国の名だたる企業や政治からは希望のかけらも伝わってこない。不信感は広がるばかりだ▼あちこちから、「自公政権も民主党も同じ、何も変わらない」、「もうだまされない」と怒りの声が聞こえる。「憲法も必要だが、日米安保も必要だ」「消費増税なしには何も進まない」「安全神話は崩れても原発は必要だ」といった類の、あいまいな言葉でごまかそうとしていることに国民は怒っているのだ▼社会の閉そく状況をつくりだしてきた「アメリカと大企業いいなり」という古い政治の枠組みを転換してこそ解決の道が開ける。日本国憲法にもとづく、本来の政治の在り方を大いに訴え、青年たちに明日の希望を示していこう。新年の幕開けをその分岐のときに。(☆)
 2011年 2012年 2013年