『平和新聞ながさき版』コラム
(2007年12月5日) 医療や介護の現場にいると、毎日のように制度の壁にぶつかる。あれしちゃいけない、これしちゃいけない、やっちゃいけないことばかり。来年の診療報酬改定ではもっといろんな「しちゃいけないこと」が増えるだろう▼今の日本の医療は「国の負担軽減」が第一の目標だ。特に「来る高齢社会に備えて…」をうたい文句に高齢者医療はどんどん切り捨てられている。矛盾を感じているはずの医療従事者でさえ、「医療費削減止むなし」と納得しているかにみえる▼でも、ナンデ?普通に考えると、高齢者が2倍になれば、お金を2倍かければいいだけ。一番大事なのは人の命。人を殺すための道具と施設と人を減らして、人を救うための道具と施設と人を増やすべきなのに、日本中が錯覚に陥っている▼一度切り捨てられたものを、拾い上げるのは至難の業だ。私たちが一番考えなければならないこと、それはやっぱり「命こそ宝」だと思う。(J) |
(2007年11月15日) 天井知らずの原油価格引き上げとガソリンの値上げ。「庶民のガソリン税を下げろ」と、ドライバーや、暖房費がかさむ北国から怒りの声が聞こえる▼「うちの店も市内で二店舗閉鎖です。「上から『○日から○○円/L』というだけの元請け会社は大もうけなんですけどね」と内情を明かすスタンド従業員。「値上げ分は(車に)乗らんことですよ」と、半ば悟りきった表情だ▼それならと、人気上昇中なのが自転車。子どもたちはマウンテンバイク、さっそうと買い物に出かける主婦や、中高年の自転車姿も目立ってきた。「健康のための有酸素運動に最適」「燃料節約」と、一石二鳥のすぐれものとあって、テレビや新聞も相次いで特集している▼「坂の長崎で自転車?」と笑うことなかれ。喧騒をはなれ、秋晴れの郊外へペダルをこぎだし、少し遠出をすれば気分だけでも平和になれる。私の体験では明日へのエネルギーとともに、たたかいの知恵も浮かんでくる気がする。「自転車のすすめ」である。(☆) |
(2007年11月5日) 先月末、久しぶりに佐世保基地調査に行った。YOSAKOIさせぼ祭りと重なっていたので町中には入らなかったが、周辺を廻っていて「米軍基地の中にある佐世保」という感じが前にもまして強くなった▼みなとインターから米軍基地のゲート付近までの高速高架橋の橋桁工事が進んでいたが、それは民家に襲いかかる毒蛇の姿に見えた▼いつもは帰り際に寄る「引揚資料館」から始まった今回の行程は、「戦争」について改めて考えさせられるものとなった。「平和」の反対語として「戦争」が使われるが、それは武器を持ってのドンパチだけではない。国民の命を含め、生活のすべてを「人殺し」のために使うことなくして戦争はできないのだ▼職に就けない若者を増やし、親たちは低賃金、納めた年金もあやしい今の日本を見ていると、いつか来た道を経験した者として、その先に過去の日本社会の復活を危惧したくなる▼「平和憲法」はお題目ではない!「夢」の中の叫び声に飛び起きたら大汗をかいていた。(ふ) |
(2007年10月25日) 長野県松代。先日この地を訪れる機会があったが、それまで私は松代と沖縄との関係を考えたこともなかった▼松代は、終戦間近、敗戦色の濃くなった日本が本土決戦に備え、「国体護持」のために大本営を移転しようとした場所。ついに「地下にもぐって戦争をつづける作戦」をとり、数ヵ月の間に、ダイナマイトと人力だけで、5000メートルを超えるトンネルを掘った。掘り続けたのは強制連行の朝鮮人労働者▼松代大本営は当時の国家最大のプロジェクトだったが、「1日でも早く完成させ天皇をそこに迎える」そのことだけが目的だった。同時期、沖縄では「1日でも本土決戦を遅らせる」ために捨て石とされ、死ななくてもよかった多くの人々が命を落とした。大本営跡地のトンネルは、第二次大戦の愚かさの縮図をみる様でもある・・・▼しかしくれぐれもガイドなしではいかないように。ともすればトンネルだけを見て「昔の人はすごいねー」で終わってしまう可能性があるから。(J) |
(2007年10月15日) 「長かった、暑い暑い夏?」?涼しい秋風を感じてホッとするは私だけでしょうか。猛暑続きで「熱中症」が流行語となり、暑さで棄権者が続出した「シカゴマラソン」や、ベトナムの大水害のニュースに、異常気象の深刻さを改めて実感する▼対策がいわれて久しい地球温暖化。主な原因はCO2の大量排出や、森林伐採といった人為的なものなのに、事態は深刻化する一方。だれもが「この先、地球はどうなるのか」と不安を抱いている▼「マイバックでレジ袋を減らそう」とテレビCMで呼びかける反面、CO2削減に背を向けたり、「経済活動が立ち行かない」と削減目標を放棄する先進国がある。途上国のCO2排出権を売買する新手のビジネスまで登場した▼生物が生存する前提であるはずの地球環境問題。人類社会の、それも一時代の経済活動のレベルでしかとらえられないところにこの問題の本当の深刻さがある。「いまの社会はこの難問を解決できるのか」(☆) |
(2007年9月25日) 「敬老の日」を迎えた今の実情--高齢化社会とは65歳以上の人が人口の14%を超えた社会のことだ。日本は95年に高齢者が15%を超えている▼日本人の平均寿命は、男79歳、女85歳と言われている。総務省が発表した65歳以上の高齢者人口は2744万人で、前年比87万人増となっている。これは総人口の21・5%で、前年を上回った数となっている。80歳を超えた方も700万人を超えた。一方、65歳以上の就業者は15万人増えて510万人となっている▼出生率は過去最少の1・26。自殺者は8年連続で毎年3万人を超えている。動機は「健康・経済・生活・家庭」と様々。老後のためと納めてきた年金積立金の目的外流用は7兆円。政府は3年前に保険料の使途は年金給付に限ると決めたが、先の国会では流用の恒久化を盛り込んだ社保庁改革関連法案が成立▼生きていてよかったと言える日まで鬼退治を続けるぞう!!(ふ) |
(2007年9月15日) 後期高齢者医療制度のことが、ようやく話題になりつつある。来年4月からの導入というのに、まだまだ認知度が低い。ひょんなことから、その制度のことを知り「聞いてないよ!」と叫ぶ人がいったいどれだけ出てくるのか▼「高齢者の医療は特別デスカラ」などと理由をつけてくるのだろうが、そもそものスタート地点は、厚労省の8兆円の医療費削減計画である。医療費を削減するには弱い者から搾り取れと言わんばかりの計画▼食費を切り詰めてやっと生活をしている人は、少ない年金から保険料を払い、保険を持っていても医療費が払えず病院には行けない。生活に余裕のある人は、生活を切り詰めなくても保険料を払い、どんなに裕福でも保険で病院にかかれる。保険料を払って保険で病院にかかるというのは当たり前のことだけど、ちょっと待てよ?貧困層が富裕層を支えている変な構図になっていないか▼日本の医療制度のことをもう一度考えて、そしてマイケル・ムーア監督の「シッコ」長崎上映を待とう。(J) |
(2007年8月15日) 参院選が終わった。自民は敗因を「年金問題や大臣の失言による逆風」といいたいようだ。「貧困や格差の拡大」「増税づくめの逆立ち政治」、9条改憲へのアクセルなど、前途の見えない危険な政治に「ノー」を突きつけられても、自民・公明には国民の声が聞こえないらしい▼口を開けば「戦後レジューム(体制)からの脱却」と叫び、「改革か逆行か」とこぶしを振り上げて見せた安倍首相の姿。「演説に中身がない」とソッポをむかれ、「ヒトラーそっくり」といった声も聞いた。「国民とした自民党」とメディアは伝えたが、国民の声を聞く耳はもっていない▼開票速報より画面の上で流れる「声」のテロップに目が向いた。「生活はたいへんなのに分かっていない」「民主党でもたいして変わらないと思うが、自民よりまし」「こんどの選挙ほど選挙権がほしいと思ったことはない(高校生)」。国民の怒りの地響きが聞こえた気がした。(☆) |
(2007年7月25日) 7月16日、新潟県中越沖地震が柏崎刈羽原発を直撃した。使用済み核燃料の入っているプールの水があふれて放水口から海に流されるという、あってはならない事故が起きた。また地震で緊急停止した3号機の変圧器で起きた火災に対し、所員はただ遠巻きに見守るだけだった▼新聞に報道されていた図を見ると柏崎原発は動くプレートに乗っている状態だ。ということはいつ事故が起きても不思議ではない。なのに油火災に有効な化学消火剤は火の出た周辺にはなかった。所員は年2回ほど、消火装置の操作方法を確認はするが、火を消す訓練はしていない。見ているだけで火が消えるか?▼97台の地震計のうち63台で揺れの詳細データがなくなっている。容量が小さく余震の揺れが本震のデータを上書きしたためだという▼原子力は人類にとって貴重なエネルギーだ。だからこそ人間の充分な注意や管理が必要ではないのか。激流を行く筏の船頭の細心さと熟練の技を電力会社に望むのは絵に描いたモチか。(ふ) |
(2007年7月15日) アインシュタインは言いました。「第三次世界大戦は想像がつかないが、第四次世界大戦は容易に想像がつく。石と木を持って戦うだろう」・・・一瞬考えた後に、ぞっとする言葉です。第三次世界大戦がもし起こってしまえば、確実に人類は、文明は、一度滅びるというある種の予言ですが、今世界にある核兵器の数・2万7千発を考えれば、単なる予言ではすみません▼アインシュタインは第二次大戦中、アメリカのルーズベルト大統領に、原子爆弾開発を促したといわれる書簡に署名しました。実際は原爆開発ではなく原子力をエネルギー源に開発させてほしいという内容だったそうですが、アインシュタインはこの署名を戦後、非常に後悔し、すべての核兵器とすべての戦争の廃絶を訴える国際会議・パグウォシュ会議を創設しました。そのアインシュタインの言葉だからこそ重みがあります▼今、核兵器をなくさなければ、人類は本当に破滅の方向に進むでしょう。62年目の夏です。(J) |
(2007年6月25日) ながさき平和委員会の10周年記念総会に参加して思った。「いま私たちの日常生活は本当に平和だろうか?」答は「NO!」だ▼平和憲法を持つ国民がこんな返事しかできないナンテおかしいけれどこれが現実-だから平和委員会が必要なんだと思う。戦争への道だけが舗装されるのを許さない、平和委員会の出番の時だと思う。いま、ながさき平和委員会の会員はチト力不足ぎみの感もあるけど「これからダ」と感じた総会だった▼全国で150万人が感染し、その約半数が九州・沖縄に集中している「THLV-1関連脊髄症」や、5年で8割以上の死亡の可能性のある「成人T細胞白血病」に対し、厚生労働省は地域の問題と知らんプリ▼「厚生」とは生活を豊かにすることと辞書にはあるが、日本の「厚生」労働省は「増苦省」「放棄省」とでも名を変えるべきだと思うけれど--ブツブツ言ってないで怒れる「人間の証明」を7月に示そうネ!!(ふ) |
2007年6月5日) ▼日々頭にくることばかり。理不尽なことがこれでもかと押し寄せる▼刺し殺してやりたい!という気持ち、解らんでもない。だが実行までには相当の憎悪する気持ちの熟成が不可欠だ。そこまでの気持ちがあったか…と思うほどの▼しかし命を奪っていいという理屈は何処にもない。常識である▼人を殺すには、相当のエネルギーが要る。憎悪が臨界に達するまでの。原爆級のエネルギーだ。さらに実行に移すには、腕力、体力、脳力(計画的な場合)全て総動員して、渾身の力を振り絞ることになる▼銃は、その力が極々少しでも、指をちょこっと引けばバンと発射し、人を殺すことができるおっそろしい凶器だ▼戦争はその銃を兵士や子どもに向け、顔も見えないまま乱射する。理由もブッシュと戦争で儲ける一握りの奴らにしか要らない▼しかも奴らは罪悪感を伴う憎悪のエネルギーを高めることもなく、腕力も体力も一切使わず、硝煙の臭いも嗅ぐことなく…だ▼戦争を日常に持ち込む先兵=銃にもっと危機感と怒りを!(B) |
(2007年5月25日) 映画「華氏911」で描かれていた、米軍リクルーター。このリクルーターの存在を保証するのが、ブッシュ政権による「落ちこぼれゼロ法」▼高校からのドロップアウトを防ぐという名目の法律で、これにより高校はすべての生徒の個人情報を軍に提出しなければならない。その個人情報を元に、リクルーターが若者に声をかける。「君みたいな未来のあるすばらしい若者にぴったりの話がある、軍に入隊すれば大学の学費は全額支払う、夢がかなうチャンスだ」と軍隊への勧誘を行なう▼しかし実際に大学を卒業できる生徒は15%。「行くことはまずない」と言われていたイラク戦争の最前線で命を落とす。そして兵士が足りなくなり、また勧誘する・・・。「みえない徴兵制」である▼落ちこぼれゼロの話を聞いて、思い浮かべたのが安倍首相提唱の「再チャレンジ」政策。「一度落ちこぼれてもまたチャンスはありますよ、特に若い人、軍隊で」・・・そんな風に聞こえるのは私だけだろうか。(J) |
(2007年5月15日) 靖国神社の春季大祭に安倍首相が総理大臣名で「真榊」を供えたことが明らかになり、「参拝したわけではない」と自・公は防戦に躍起だ▼「真榊」奉納とは何?「榊」は古来から神が降りてくる拠所として使われ、神道に欠かせないもの。85年以降は中止していたのになぜ今年は行なったのか▼「私人としてのことで政教分離とは関係ない」と官房筋は言うが、靖国神社側は公的で宗教性の強い行為だと認識している。「神社誌を見れば真榊奉納は天皇の特権行為。玉ぐし料より重大で公式参拝と同じ行為と言え、政教分離の観点からも問題がある」と茨城大の大江志乃夫・名誉教授は指摘している▼もう一つ、とても気になる事がある。4月末に出てきた「親学」だ。母乳による育児とか、子守唄とか、いいことはわかっている。しかし、実際はそんな余裕がないのだ。余裕のない国民側が悪いのか▼最近の押しつけがましい空気が気になる。7月の参議院選挙で答えを突きつけよう!(ふ) |
(2007年4月25日) ▼選挙戦の只中、伊藤市長が射殺される異常な事件が起った。現職市長が2代続けて、しかも“銃”という凶器で▼「人を殺す」行為は、全ての上にあるべき命と人権を軽んじ、差別することに始まる。暴力で発言と存在そのものを潰すことは戦争と同じ▼今参議院で、憲法9条を変えるための改憲手続き法の成立が秒読みの段階となった。それは国民の多くの意思と真実を知る手段をも力づくで押さえ込むもの。「日本が米国と共に戦争をする」ために▼米国の銃社会はその日常的な下地づくりの一つではないか。コロンバイン高校、バージニア工科大学での銃乱射事件、そして今回の事件の根は一つ。銃は、人が幸せに生きることを阻む凶器だからだ。銃や爆弾、戦闘機や軍艦をつくる軍需産業は戦争によって儲ける▼被爆地長崎から核兵器廃絶を発信し続けた市長の命ごと封じた暴力を断じて許さない。民主主義が自然に根付く社会が暴力を封じ込めることを信じ、怯まず、日常から戦争に繋がる全てのことに立ち向っていこう。(B) |
(2007年4月15日) 毎朝の渋滞のおかげで(?)、長崎港を見渡しながら出勤できる。自衛隊の艦船が、常時2~3隻停泊しているのも毎朝見える▼当たり前の光景になりすぎて、あの船たちが実際に戦争にかかわっていることなど想像できる人は、少ないかもしれない。いや、最初からそんな想像するにいたらないほど、「ねずみ色の船」は当たり前になっている▼実は戦争につながっているということは、知らないだけで意外に多い。自分たちが当たり前のように使っている銀行預金も、ここに預けたお金は銀行の金庫に一瞬たりとも行くわけではない。銀行の資金として、短期国債にまわされ、その後アメリカ国債に姿を変える。アメリカ国債を買うということはつまり自分たちの預金が今のイラク戦争などアメリカの戦争を支えていることになる▼一見平和な日本。しかし、知らない間に世界中の戦争や貧困の「不名誉な縁の下の力持ち」になっていることを、私達はもっと知らなければならないと思う。(J) |
(2007年3月25日) 「仮想水」って知ってますか。ものを作るには水が必要です。海外から輸入しているものを、もし国内で作ったとしたら必要となる水のことを「仮想水」といいます▼小麦1キロを作るのに約2トン、牛肉1キロには餌の穀物も含めて約20トンの水が必要。東大の生産技術研究所の沖大幹教授によると日本が00年に輸入した「仮想水」は約640億トン。世界最大の「仮想水」輸入国です▼それに日本では年間2千万トン近い食物が捨てられているのです。これはトルコで1年間に生産される小麦の量と同じくらいの量です▼日本の食糧自給率は過去50年くらいで40%に下がってしまった。これでは命の半分強を他国に頼っていることになるのでは?▼農水省の04年度の資料でみると、昼ご飯などによく食べるソバの粉は77%が中国もの、汁の醤油のもとになっている大豆はブラジル産、てんぷらソバの具もほとんどが外国産。「てんぷらソバ」は本当に「日本食」なのか?このままでは楽しい食も他人まかせか。(ふ) |
(2007年3月15日) 今話題のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の規定は、腹囲が大きい人で、血圧・血中脂質・血糖値の内2つが基準値以上あるもの▼実は心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病を原因とする透析患者の月二百万円を超える高額医療費等を減らすために設けられた基準なのだ。今後も増大する医療費の伸びを押さえ込みたいのが国の本音。「成人病」から「生活習慣病」に名称を変えたのも、社会・労働・環境が作り出した病気を個人の生活習慣に責任を擦り付けようとしたもの▼08年度から医療保険者の責任で行う特定検診と特定保健指導が始まる。これまでと違い、受診率が低いと国保税などを上げるというとんでもない内容だ。健診後も保健指導を受け、カロリー制限、飲酒喫煙の是正、一定量の運動など、改善状況を診る。改善がないと税金が上る徹底した個人責任のしくみだ▼これは健康権を否定し、憲法13条、25条に違反するもの。やばい改悪は、横文字で煙に巻こうとするのが常套手段。誤魔化されないようにしよう。(B) |
(2007年2月25日) ときどき携帯も通じない山奥でインチキ農民となる。今の季節なら菜の花を収穫したその時に茹でて食べるのが格別。旬のものを旬の時期に食べる。この当たり前のことが今はそうじゃない▼アル・ゴア元アメリカ副大統領が出演することで話題の『不都合な真実』という映画がある。その映画の中で「熱湯に入れられたカエルはあわてて飛び出そうとするが、ぬるま湯に入って徐々に熱せられるカエルは最後までそのままじっとしている」という場面がアニメーションで現されているとのこと▼今、私達は旬のものを旬の時期に食べないことが当たり前の「ぬるま湯」の時期を生きている。「いつでも旬」の状況の裏には、海外での無駄な水、無駄な肥料、そして無駄な輸送費がある。輸送費=油=エネルギー。エネルギーをめぐる戦争は実際におこっている▼熱湯になる前におかしいと気づき、旬のものは旬の時期にとみんなが考えれば、戦争も防げるのにと考えるのは安直でしょうかねぇ。(J) |
(2007年2月5日) 昨年末に厚労省の社会保障・人口問題研究所が、半世紀後の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子どもの数)を1.26と予測し公表した。それは半世紀後の日本の総人口は、今より4千万人減って約8900万人になると推計している▼何故人口が減るのか。非婚や晩婚、離婚などが増えていることもあるだろうが、柳沢氏のように女性を「産む機械」扱いをしたり、子ども産む産まないことを女性だけの責任にするのはおかしい。命の誕生は両性が揃わなくては不可能なのだ。柳沢氏は男性を「種蒔き機」だと思っているのか。少子化の根っこは安心して子どもを産み育てる社会環境が十分でないというより、破壊されているからではないだろうか▼一方、子どもを産んでも親になれない大人も増えている。虐待などで保護を必要とする子どもが増え、全国558ヶ所の児童擁護施設には3万人の子どもたちがいる。人口問題を考えるのなら、人間らしく生きていける環境の整備、社会づくりこそが大事ではないか。(ふ) |
(2007年1月25日) マーガリンってバターより身体に良いと思っていませんか?「バターは動物性脂肪だから高カロリーでマーガリンは植物性脂肪だから低カロリー」って▼マーガリンの原料は植物油。液状で酸化しやすいので化学処理したわけ。だけど何日経ってもカビも生えなきゃゴキブリも寄り付かない。恐っ!▼固形化してバターに似せたわけだけど全く劣化しない。分子構造がプラスチックにそっくりなのだ。要するに、‘油のようなプラスチック’を食べてることに▼この油を食べ過ぎると、心筋梗塞の原因となる動脈硬化が加速するという代物。マーガリンやショートニングって相当たくさんの菓子類に使われている。専門家や政府は当然知ってる!とっくに北欧では発売禁止▼食べ物って命を維持していくための物のはず。“あるある”の納豆ダイエットのウソデータ事件といい、食べる私たち国民を、“命ある人”と思ってないってことだ。マーガリン、まず捨てよう!自然の物バターのほうがいい、食べすぎには注意だけど。(B) |
(2007年1月5日) 世界の平和条項の比較▼イタリア憲法「他の人民の自由を侵害する手段、および国際紛争を解決する方法としての戦争を否認する」▼コスタリカ憲法「恒久制度としての軍隊は廃止する。公共秩序の監視と維持のために必要な警察力は保持する。大陸協定によってあるいは国家の防衛のためにのみ軍事力を組織することができる。いずれの場合もその軍事力は文民権力に従属し、軍隊は、個人的であれ集団的な形であれ、声明あるいは宣言を討議したり発表したりしてはならない」▼日本国憲法「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」▼こうしてみると日本国憲法はある意味「異常」だ。軍隊まで完全に放棄。改めて思う。これを捨てて「普通の国」になるのはもったいない。(J) |