10月6日、ながさき平和委員会はピースカフェを開催しました。今回は対面方式での開催を再開し、オンライン併用としました。
今回のピースカフェは、「福島第一原発・汚染水問題」をテーマに語り合いました。8月24日に東電が「ALPS処理水」、いわゆる汚染水の海洋放出を行いました。汚染水の海洋放出に対して、日本全国や諸外国で懸念が広がっています。こうしたもとで、どのように汚染水問題を考えたらよいかを考えたいということでテーマ設定がされました。
最初は、ながさき平和委員会の世話人から関連資料を紹介しながら問題提起をしてました。このうち、「原発をなくす全国連絡会」が発行した資料には、汚染水の海洋放出ではない方法として「(1)広域遮水壁で、新たな汚染水の発生を押さえ込む(2)丈夫なタンクに移し替える(3)みんなが納得できる解決方法を確立する」の3つの方法が提示されています。加えて、汚染水対策の方法にかかる費用の比較されており、「広域遮水壁が約160億円、凍土壁が345億円、海洋放出トンネル工事が430億、海洋放出風評被害対策が300億」と海洋放出以外の方法をとれば費用額が少なく済むことがわかりました。
資料もふまえ、参加者でディスカッションを行いました。汚染水問題では科学的視点で安全か否かの議論がされている点についてAさんから、「今回の汚染水問題の本質は、科学的な問題ではなく政策や民主主義の問題だと思う」「政府は中国の過剰反応を引き起こす事態を招き、あきらかに失政。それを隠すための海産物購入キャンペーンではないのか」との意見が出されました。加えて「福島第一原発を更地にするような廃炉は不可能。それを悟られると再稼働ができなくなるので、廃炉作業の『やってる感』を醸し出すための海洋放出だ」と指摘しました。またBさんは、「住民や諸外国との対話が大事されていないように思う」と発言。
核・原子力政策に対する意見も出されました。被爆地域拡大の運動に取り組んでいるCさんからは、「長年被爆体験を語っていなかった人が、『3.11』の原発事故をきっかけに語り出し、『原発をやめてください』と自治体に要望したことがあった」とのエピソードを紹介。Bさんからは、「核との共存はできないと思う。だからこそ、核・原子力政策に真摯に向き合う政治をしてほしいなと思います」と話しました。
これからの運動などへの言及もありました。Cさんから、「被爆地域拡大の運動も反原発の運動も、今後の運動をどう構築していくのか。考えなければなりませんね」との発言が。Dさんは、在住している諫早市での「反原発11日行動」の様子を紹介し、「諫早には気候危機打開を目的に活動している「Fridays For Future Nagasaki」の高校生がいる。こうした高校生世代なども含めた若者世代に働きかけていけないか」と語りました。
。
(2023年10月7日)