ホームニュース一覧2023

大軍拡の先端が垣間見える佐世保基地

日本平和大会プレ企画第2弾

 10月22日、ながさき平和委員会は日本平和大会プレ企画の第2弾として佐世保基地行動を開催し、佐世保、大村を含めて13名が参加しました。案内はながさき平和委員会の冨塚明事務局長が務めました。基地行動で訪れた場所で印象深いところをピックアップしてご紹介します。

 はじめに、西海市の米軍横瀬貯油所・LCAC整備場です。対岸の佐世保市針尾西町から観察しました。米軍が事前通告なしにLCAC夜間航行訓練を強行した際、西海市の行政・議会・市民が大きな反対の声をあげ、米軍はおよその訓練日程を示すようになったと説明されました。

 続いて、米軍針尾住宅地区です。2008年、周辺のハウステンボスの土地や県道・市道を国が買い上げて米軍へ提供したことで「釜墓地(戦後の身元不明の引揚者が弔われている)」への交通が断たれる事態となったそうです。代替道路はつくられましたが、以前よりも遠回りになり、市民にとって不便になっています。実際に道路を通り、遠回りだなと実感しました。

 3つ目に、崎辺地区の自衛隊基地です。水陸機動団の海外展開拠点、南西方面への後方支援基盤として整備が始まっています。大型艦の接岸できる岸壁・桟橋、火薬庫や弾薬整備場などが建設中であり、大軍拡の先端を行く佐世保の実態を掴むことができました。

 最後に、干尽地区から見た自衛隊や米軍基地に接岸している艦艇です。艦番号から艦名を確認しながら解説がありました。米強襲揚陸艦「アメリカ」も接岸していました。また、見学中に佐世保軍港クルーズの船が通りかかり、「自衛隊の皆さん、いつもありがとうございます」と礼賛するようなアナウンスを目の当たりにしました。佐世保市内での自衛隊・米軍といかに深く結びついているのかが垣間見えた瞬間でした。

 他にも、市内各所の米軍向け民間住宅や船越医療用倉庫付近、SSK(佐世保重工業)ドックなどを見学しました。

 今回の佐世保基地行動を通じて、米軍・自衛隊にベッタリな実態を知ることができました。一方で、横瀬のLCAC夜間航行訓練や船越の土地返還による新しい県道の誕生などに市民の声が反映されていることが紹介され、私たちの運動で事態を変えられることも知ることができたのは重要な学びだったと思います。

 参加したNさんは、「佐世保が基地の街ということはわかっていましたが、米軍と自衛隊の施設があちこちにあるだけでなく、基地機能の凄さ、つまり戦うことを前提にどんどん強化されていることに怖さを覚えました。自分の住む佐世保で何が起こっているのか、市民がもっと知るべきだと思いました」と感想を語っています。

(2023年10月23日)