ホームニュース一覧2023

多機能護衛艦7番艦「によど」進水

 9月26日、三菱長崎造船所第1ドックで「もがみ型護衛艦(FFM 3,900㌧)」の7番艦「によど」の命名・進水式が行われました。当初は6月下旬の予定でしたが、2月の総合組み立て場(右写真の緑屋根)での爆発事故による影響からか3か月遅れとなりました。今後、武器取り付けなどの艤装工事が始まります。

 FFMは従来の護衛艦の機能に加え、掃海艦艇が担っていた機雷の掃海・敷設機能も備えた多機能護衛艦です。すでに4隻が就役し、1・2番艦が掃海隊群(横須賀)に、3・4番艦が第13護衛隊(佐世保)に配備されました。

 長崎港では現在、5番艦「やはぎ」が12月の就役に向けた最終段階にあり、6番艦「あがの」が海上試験を開始しました(写真下)。なお8番艦は三菱マリタイムシステムズ(岡山県玉野市)で船体建造中で11月に進水予定。

 FFMは23年度までに12隻の予算措置が完了し、24年度概算要求には新型FFM(4,880トン)の建造費が計上されました。今後、主契約者を三菱重工、下請負者をジャパンマリンユナイテッドとして12隻が建造されます。

 FFM/新型FFMは地域配備部隊の第11〜15護衛隊に配備され、既存の旧式艦を順次置き換えていきます。最終的には掃海艦艇とともに「水陸両用戦」「対機雷戦」を任務とする新しい「群」を編成し海外展開する計画です。

 一方、26年度からの搭載が計画されている艦艇発射型の敵基地攻撃可能な長射程ミサイルはFFMに真っ先に搭載されるとみられます。実はFFMに搭載するミサイルの種類が未定だったため、ミサイルの垂直発射装置(VLS)が予算化されませんでした(当然、ミサイルも搭載できない)。前代未聞のことです。

 20年末に艦艇発射型の長射程ミサイル開発が閣議決定され、FFMのVLSは21年度補正と23年度の予算で計12基が措置されました。おそらく7番艦以降はVLSが最初から組み込まれ、それ以外は検査時に取り付け工事が行われるとみられます。FFMには最初から長射程ミサイルを搭載する計画だったわけです。

(2023年9月27日)