9月24日、ながさき平和委員会と憲法改悪阻止長崎県共同センターの共催で平和大会プレ企画となる学習会が開かれました。長崎を主会場に佐世保・大村をオンラインで結び、個人視聴も含めて68人が参加しました。講師は、ながさき平和委員会事務局長の冨塚明さん。写真や動画を駆使しながら、佐世保、大村、五島、長崎港で進行している日米軍事一体強化について報告しました。
なぜいま大軍拡が進められているのか。その理由としては、2015年安保法制により「集団的自衛権の行使ができるようになったこと」「出動範囲が無限定に世界中にできるようになったこと」「武器等の防護対象が外国軍にまで拡がったこと」があげられます。これにより自衛隊の参戦シナリオが描けるようになりました。そのもとで日米一体化が進んでいます。日米同盟の抑止力と対処力を強化するために司令部の一体化が進められ、平時から高度な実践的な共同訓練を行っています。
長崎県の基地強化の背景には「米軍の対中戦略への加担」があります。南西諸島へミサイル部隊を移駐し、日常的に情報監視を続け、文字通り一緒に軍事訓練を行う「日米共同作戦」を各地で展開しています。
米軍佐世保基地は、水陸両用作戦の拠点で強襲揚陸艦部隊が配備されています。LCAC駐機場は西海市に移転し、港外で夜間航行訓練が行われています。駐機場があった崎辺は日本版水陸両用作戦部隊の中核となる水陸機動団の海外展開拠点として強化が進められています。
三菱長崎造船所では多機能護衛艦の建造が連続して行われており、これには長射程ミサイルが搭載される計画です。五島には福江島に無線通信情報を傍受・分析する地上電波測定装置が置かれ、津多羅島(尖閣の魚釣島に似た無人島)では実践的な演習も行われています。長崎県内各地で基地強化が推し進められています。
経済的に大打撃を生む戦争はおそらく米中もしたくないはず。しかし、偶発的に起きた軍事衝突から意図せず戦争になってしまう危険性が高まっています。基地強化は攻撃対象となることも意味しますが、それが知らされていない現状もあります。「今起きていることを多くの人たちに知らせ、その運動を持ち寄って今年の平和大会を成功させよう」と締めくくりました。
参加者からは「米軍と自衛隊の一体化がリアルに分かってきました」「すぐにでも戦争に巻き込まれる可能性がある現状にゾッとしました」「学習会で聞いた内容を少しでも周りに広げようと思います」などの感想が寄せられました。
(2023年9月25日)