9月22日、平和大会に向けた第5回九州連鎖学習会が開かれ、約50人が参加しました。 中山重俊さん(佐賀県平和委員会事務局長)と池崎基子さん(オスプレイ配備反対佐賀県連絡会事務局長)が、この間の経緯とたたかいの現段階について、また菅沼幹夫さん(神奈川県平和委員会事務局次長)が欠陥機オスプレイの危険性について報告しました。
◎オスプレイ基地建設反対のたたかい
2014年7月に政府が佐賀空港へのオスプレイ配備を要請をして9年になる。この間、オスプレイ配備に反対する諸団体は主に年2回、協同して集会や学習会を行ってきた。
今年5月1日、土地の売却の決定権がない協議会が臨時総会を開き、協議会の規則にない「総代会」で決めた「3分の2以上」の可決条件を満たしているとして土地の売却決定を行った。それでも21%に当たる49人の地権者が反対の意思を表示した。
市民の抗議のなか6月19日からダンプカーによる土砂運搬が始まった。一日最大600台にものぼり土日祝日も構わず24年8月まで続く。「連絡会」はスタンディングをかねて定期的に工事車両の運行調査を行い、一方で、工事交通誘導員等の熱中症対策についての申し入れも行っている。
8月29日、地権者4人が、訴訟を念頭に、土地の所有権確認と工事差し止めを求めて佐賀地裁に仮処分申請を行った。これに先立つ7月29日には「佐賀空港オスプレイ等配備に反対する裁判を支援し、地権者とともにたたかう市民の会」が結成され、「キックオフ集会」も開かれた。ぜひ一緒にたたかって欲しい。
◎飛ばせてはならない!オスプレイの危険性
沖縄配備の2012年以降、日本ではオスプレイは今日まで「緊急着陸」が23回、墜落は2機で死者が3人。特にこの1週間で4か所6機が「緊急着陸」という異常事態。まるで戦時だ。小さな故障は大事故の元であり、「構造的欠陥」をなくさなければ事故は続く。戦時には墜落事故になる。
オスプレイの緊急着陸に関しては「左右に回転翼があるという構造上、油圧・電気・機械系統が長く複雑になり、不具合が生じやすい」欠陥が指摘されていた。最近は海外で非常に深刻なクラッチの不具合による事故が続発している。
22年6月の墜落死亡事故の報告書は「クラッチの不接続によるエンジンと動力の伝達システムが同時に故障することで、完全に推力を喪失した事故」と結論づけた。安全の根拠にしてきたバックアップシステムの神話は完全に崩壊したといえる。それでも海兵隊は800時間の運用を超えた部品を交換することで安全は保たれると主張し、防衛省もそれを鵜呑みにしている。しかし従来品の「部品交換」では解決にはならない。
(2023年9月23日)