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増強一途の陸自健軍駐屯地

第3回オンライン九州連鎖学習会

 7月28日、鹿児島での平和大会に向けた第3回九州連鎖学習会が開かれ、約50人が参加しました。熊本県平和委員会の坂本浩一さんが「安保3文書」の危険性を強調した上で、熊本県内で進行している軍事強化の実態を紹介しました。

陸自健軍駐屯地の増強
 2016年から12式地対艦ミサイルの配備が開始され、19年に同ミサイルを運用する301中隊が奄美駐屯地瀬戸内分屯地に移駐した。その後も20年に302中隊が宮古島駐屯地に、23年に303中隊が石垣駐屯地に移駐した。24年には304中隊が那覇駐屯地勝連分屯地に移駐予定。

 鹿児島・宮崎・熊本を所管する第8師団は全国に先駆けて18年に、事態が生起した場合に警備区域を越えて緊急展開する「機動師団」に改編された。北熊本駐屯地の第42普通科連隊が、機動展開を行う第42即応機動連隊へと変えられた。これまで戦車が担ってきた「歩兵支援」は新たな16式機動戦闘車に取って代わった。通常の戦車は「戦車運搬車」で輸送されるが16式機動戦闘車は自力走行で移動できる。22年秋の日米共同演習フォレストライト22で与那国島の公道を走破した16式機動戦闘車は第42即応機動連隊所属で、C2輸送機で与那国に運んだ。

 西部方面隊司令部の機能の一部を地下に移す「強靱化」計画が進行している。23年度に「基本検討」と「調査」(予算1億円)を実施し、24年度以降に設計に入る。完了時期は未定。

 21年に、軍用電波を発する外国の部隊・装備の位置などを把握する第301電子戦中隊が配備された。22年には奄美駐屯地、那覇駐屯地に同中隊の一部が配置され、朝霞駐屯地に発足した電子作戦隊に組み込まれた。

オスプレイの運用で意見交換
 健軍駐屯地高遊原分屯地はオスプレイ訓練の中継地になっている。大矢野原演習場では日米共同訓練が行われ、安保法成立以後は訓練が激化/2月の日出生台での共同訓練では、陸自機は高遊原経由で、海兵隊機は米軍岩国基地を経由でやってきた/神奈川ではオスプレイの目撃情報をLINEで情報を共有している。ほぼ毎日入ってくる/佐世保市は米軍機の飛来情報を出さなくなった。自衛隊も運用するようになり「特別ではなくなった」ことが理由/佐賀ではオスプレイの駐屯地建設のため土砂の運搬4カ所から24時間態勢で工事が始まっている。

「強靭化」計画への取り組みを急ごう
 熊本では4000枚以上のチラシをつくって構成団体、新聞折込など行う計画/新田原基地は地下化に今年度14億円が計上されている。工事も始まり、来年度には完成予定だが具体的なことが判らない。運動の動きは作れていない/大分では自治体に申し入れているが安保・外交に関することは国の専権事項だとして積極的に取り組もうとしない。だが住民の命と安全に関わる大問題だ/秋田では知事がどう考えているか質問状を提出し、回答待ち/横須賀では強靭化対象施設をめぐるフィールドワークを計画。

(2023年7月29日)