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原子力空母ニミッツ佐世保寄港に抗議

 5月19日、米原子力空母「ニミッツ」(4,758人乗り込み)が佐世保港に入港し、港中央部の35番錨地付近に停泊しました。佐世保への米原子力空母寄港は2014年8月のジョージ・ワシントン以来で、通算16回目となります。

 ニミッツは艦上にF/A-18E戦闘攻撃機「スーパーホーネット」など70機以上の航空機を搭載したまま佐世保に入港しました。この中には攻撃目標の情報をイージス駆逐艦と共有できる共同交戦能力を備えた2機の早期警戒機も確認できました。

 この日、佐世保平和委員会と佐世保原水協が島瀬児童公園でニミッツ入港に抗議する集会を開き、約25人が参加しました。佐世保平和委員会会長の弦巻信幸さんが主催者あいさつを行い、「ニミッツ寄港は、佐世保港を永久に平和の港として活用するとした1950年の平和宣言に反するもの。東アジアに緊張を与えるものであり断固反抗議する」と訴えました。

 隣の佐々町から駆けつけた仲村善博さんは1968年1月の原子力空母「エンタープライズ」の寄港反対闘争に参加したことを振り返りながら発言。新婦人佐世保支部の前川恵子さんは「佐世保には自衛隊の水陸機動団が配備され、トマホークを搭載するイージス艦も4隻。このままでは佐世保が戦争準備の拠点にされてしまう」と訴えました。参加者は「佐世保の港に軍艦はいらない」「原子力空母は佐世保港から出ていけ」などとシュプレヒコールをあげました。

 ニミッツは昨年11月に米西海岸の母港を出港し、3月23日~26日、太平洋から東シナ海に至る海空域で佐世保配備のヘリ搭載護衛艦「いせ」と共同訓練を実施。その後、ニミッツは約10年ぶりに釜山に寄港。4月3〜4日には済州島南方で北朝鮮との潜水艦戦を想定した日米韓合同の対潜水艦訓練。17日には東シナ海で艦載機の発着訓練を報道関係者に公開しています。

 一方、横須賀基地を母港とする原子力空母「ロナルド・レーガン」は1月から定期修理を行なっていました。5月12日〜19日の試験航海を終えて23日に出港して任務航海に就いたと思われます。今回のニミッツの展開は西太平洋での空母常時展開を維持するためだったのかもしれません。しかしこの間の米国の中国敵視政策の下で佐世保基地を、空母に十分な物資を補給し、乗員が1,2週間程度休息できる「準母港」にして西太平洋に2隻を常時展開する構想の再浮上が懸念されます。

(2023年5月20日)