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今だからこそ「原発」について語ろう

オンラインピース☆カフェ

 2月6日、ながさき平和委員会はオンライン・ピースカフェを開催しました。今回は、この3月で東日本大震災と福島第一原発事故から12年が経つということで「原発」をテーマに語り合いました。

 はじめに、世話人から話題提供として、原発を巡るこの間の情勢を報告。昨年12月に岸田政権がまとめた「GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針」のポイントを紹介しました。
◦再エネや原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用
◦廃止が決まった原発の次世代革新炉への建て替え具体化
◦運転期間40年、最長60年の原則維持、停止期間の運転延長を可能に
◦核のゴミの最終処分の具体化を進める
 そして原発の新規建設には1基1兆円超が必要と言われ、核のゴミ処分場が未定であるなど「ぐだぐだな状況」で推進路線にかじを切ることはあってはならないことだと批判しました。

 その後、参加者でディスカッションをしました。「核のゴミの最終処分場」についてコメントがあり、海外ではフィンランドとスウェーデンの二か所で処分場建設が決まったが、いずれも原発の廃止を前提に、発生する使用済み燃料の全量を再処理せず、そのまま地層処分する計画で住民合意を得ていることを紹介。一方、日本では政府が調査の検討などを申し入れて自治体に押し付けようとする危険な動きがあると警鐘を鳴らしました。

 また『長崎新聞』が政府の原発推進政策を厳しく批判する論説などを発信していることの紹介もありました。とくに政策が電力会社や既存の大企業中心となった会議で短期間に決められ、議論が非公開など、決定プロセスに大きな誤りがあると主張しています。川嵜さんは「こうした地元メディアの発信をもっと多くの市民に知ってもらい、原発反対の世論を広げることが大切だと思う」と話しました。

 トリチウムを含んだ「処理水」を国民の理解を得ないまま海洋放出しようとしている問題についても意見が出されました。「処理水」の中にトリチウム以外の放射性物質がまだ含まれていることも問題」「長期間保管すれば放射能レベルが下がっていく。地下水の流入を止めて汚染水自体を減らすのが先決ではないか」等々。

 一方で福島第一原発の廃炉は不可能という意見も。「2040年までに廃炉を完了させると言ってきたがまだデブリがどこにどのくらいかあるかさえ判っていない。取り出せたとして処分地をどうするかも難問。それでも40年の期限に変更なし。『やってる感』を醸し出しているだけで実はお手上げではないのか。原発を続けられなくなるからそれは言えない。結局、ずるずると墓標のように負の遺産として残り続けるかも」

 また、毎週金曜日に行われている「あじさい行動」や「原発ゼロをめざす長崎連絡会」の総会が5月に開催されることなど、原発反対運動の予定が紹介されました。平和委員会としても、こうした原発反対の運動に参加し、世論を盛り上げようと決意を固め合いました。

(2023年2月7日)