核兵器禁止条約が発効して2年となる、1月22日、「核兵器禁止条約の会・長崎」は長崎市の平和祈念像前で集会を開き、180人が参加しました。同会の賛同人である大村市、諌早市、雲仙市、西海市、島原市の各市長からメッセージが寄せられました。
同会共同代表の朝長万左男さん(県被爆者手帳友の会会長)が開会あいさつ。「昨年のNPT再検討会議では最終文書の原案は採択はされなかったが次回へ持ち越される。日本政府はNGOの要請に応え国連総会への決議案で初めて核禁条約の発効に言及した。少しずつだが前進はしている。このステップを大幅に上げていく運動を強めていきたい」と述べました。
三田村静子さん(県被爆者手帳友の会副会長)は国連事務総長の「核の脅威に対する唯一の解決策は核兵器を持たないこと」という発言、長崎市の「核兵器を持っていても使われることはないだろうというのは、幻想であり期待に過ぎない。核兵器をなくすことが地球と人類を守るための唯一の現実的な道」だと強調した平和宣言や広島市の「一刻も早く全ての核のボタンを無用のものに」と呼びかけた平和宣言を紹介。「核保有国と非保有国をつなぎ核廃絶の先頭に立つのが日本の役割であり、広島・長崎からのメッセージだ」と訴えました。
内田知也さん(建交労)は、「平和の声を長崎から届けることに意味や価値があると思う。未来に生きる子どもたちに平和を届けるのが若手労働者、高校生の役目。きょう2歳の誕生日を迎えた禁止条約だが、この条約をすくすく育てて平和を届けていきたい」と決意を述べました。
第25代高校生平和大使と高校生1万人署名活動のメンバー6人がそれぞれスピーチ。「平和活動をやっていると、『すごいね』と言われることがある。でもこれが当たり前のことになるよう活動していきたい」など平和への思いを語りました。
被爆3世で、長崎から全国へ音楽活動を展開しているシンガーソングライターのMasたかゆきさんは、歌を通して自分たちより若い世代に平和を伝えたいと語り、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて創ったオリジナル曲『戦争反対OK』とジョン・レノンの『イマジン』を披露しました。
同会共同代表の田中重光さん(長崎被災協会長)は「いま日本は戦争の道か平和の道かの岐路に立っている。長崎を最後の被爆地にするために声を上げ続けて、核兵器廃絶と世界平和のため、国家補償に基づく被爆者援護法の制定、「被爆体験者」救済のためにがんばっていこう」と呼びかけました。
参加者は「今年を、核兵器禁止条約を核廃絶に結びつけるステップアップの年にするため、声をあげてい」く決意を新たにしました。
(2023年1月23日)