2月23日に「長崎港ウォッチャー養成講座」Part 2を10人の参加で行いました。石橋電停わきに集合し、グラバースカイロード(斜行・垂直エレベータ)を使ってグラバー園入口まで行き、そこから民家の脇を右へ左へと曲がりながら細い上り道を歩いて鍋冠山展望台へ。視界に切り取られる景色が方角と高さを変えながら変化していく様は素晴らしかったので、対岸の三菱長崎造船所に見える船が灰色ばかりなのが対照的でした。
当日は、引渡前のもがみ型護衛艦の「みくま」や建造中の同「やはぎ」と「あがの」、5年毎にじっくりメンテナンスする定期検査中のこんごう型イージス艦「こんごう」、1年毎の年次検査中のまや型イージス艦「はぐろ」、あさひ型護衛艦「あさひ」の6隻が見えました。
講師の冨塚明さんより、護衛艦の見分け方としてレーダーやアンテナの形状の特徴を学びました。「はぐろは、今までのイージス艦とは一線を画す『共同交戦能力』を持っている。これはレーダーでとらえた情報をやり取りし米国と共同で働ける能力」「これまでは数隻しか同型艦を造らなかったのに、もがみ型は年2隻、全部で22隻とかつてない数を造ろうとしており、その全てを三菱で造る。従来の護衛艦の装備に加えて機雷の敷設や除去、探索の能力を持つ多機能フリーゲート艦(FFM)でこれまでとは異なる運用が想定されている。地域防衛型だった海自艦もすべて海外展開型に置き換えようとしており、その象徴がもがみ型」と解説がありました。
イージス艦は1隻約1400億円、部品のほとんどを米国から言い値で買っているので建造する三菱の利益は多くはないといいます。多額の税金を使って艦を造り、どこまで機雷を探索しに行くのでしょうか。「鶴の港」から真の防衛とは何かを考える機会となりました。
(2023年2月24日)