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水陸機動団が米海兵隊と実戦的訓練

 11月10日~19日、日本への武力攻撃事態などを想定した日米最大規模の共同統合演習「キーン・ソード23」が九州・沖縄を中心に全国規模で行われました。これにともない、10か所の自衛隊施設と2島(長崎県津多羅島、鹿児島県徳之島)が米軍基地として限定使用されました。長崎県では相浦駐屯地(FAC5131)土地約56,000 m2と建物3棟約750m2、五島市津多羅島(FAC5133)土地約209,000 m2(ほぼ全島)。

 無人島の津多羅島は海岸線や地形が尖閣諸島の「魚釣島」に似ていて、昨年11月にも自衛隊統合演習の一環で水陸機動団が水陸両用作戦訓練、陸自空挺団もパラシュート降下訓練を行っています。

 米国防総省映像情報配信サービス(DVIDS)の動画や写真によると津多羅島での訓練は11月15日~16日に行われました。

 米海兵隊員を乗せた2機の海兵隊オスプレイで相浦駐屯地に着陸(限定使用区域)。2機の陸上自衛隊の大型輸送ヘリCH-47に水陸機動団と海兵隊の隊員が乗り込み、津多羅島の海岸に着陸。周囲の安全を確認して陣地を築きミーティング。翌日は樹木の生い茂る急峻な山中を警戒しながら分け入っていき負傷兵を「発見」。衛生兵が症状を確認して色分けするトリアージを行う。負傷兵を担架に固定して山中を移動。迎えに来たCH-47に乗り込み、相浦駐屯地へ帰還。

 一方、11月11日、水陸機動団と海上保安庁(第11管区;沖縄)、沖縄県警「国境離島警備隊」が津多羅島で昨年と同様、外国の武装勢力の不法上陸に対処する共同訓練を行っています。 また11月16日~18日、水陸機動団は米海兵隊と徳之島で日米の輸送機オスプレイを連携させた訓練や、水陸両用作戦訓練を行いました。

 島南部の伊仙町総合グラウンドでは日米のオスプレイの離発着訓練。上陸訓練と連動させ、米側情報を共有した部隊輸送。沖合には海自輸送艦「くにさき」「おおすみ」、ヘリ護衛艦「いずも」、米揚陸艦「ニューオリンズ」が停泊。「おおすみ」と「ニューオリンズ」からAAV7(水陸両用強襲車)計14両が次々と花徳万田海岸に向けて発進。計3陣が波状的に煙幕を張り、水しぶきを上げて上陸。AAV7の中から隊員が海岸周辺に展開し、一帯を警戒する動きを確認。続いて海自のLCACが上陸。

 一方、陸自第8師団(約200人派遣)が別の指揮系統に従い、上陸する水陸機動団を逆に離島に侵攻する敵に見立てて、海岸に16式機動戦闘車などを展開して離島侵攻阻止とみられる訓練を同時に行いました。

(2022年11月20日)