4月16日から27日までの予定で大分県の日出生台演習場で、15回目となる米海兵隊の砲撃演習が始まりました。この演習は県道104号線を封鎖して行っていた実弾砲撃演習を「沖縄の負担軽減」を口実に本土5か所に移転したうちの1つ。従来は1〜2月に行われており、4月に行われるのは初めてです。
今年は榴弾砲が10門、初となる高機動ロケット砲システム(ハイマース)2両が運び込まれ、人員は約320名と過去最大規模です。また「射撃部隊の配置・着弾の状況を確認するための補助的な手段として」初めてドローンも使用されます。13日には演習で使用される弾薬が佐世保の針尾弾薬庫と前畑弾薬庫から計7台の民間トラックで搬送されました。
4月17日、九重町で「日出生台集会」が開催され、150人余りが参加しました。平和な日出生台を米海兵隊の砲撃演習場や日米の共同訓練場にするな!の声を大きく上げました。
衆議院議員の田村貴昭さんが情勢報告。
防衛省はこの演習の詳細を国会議員にも伝えてこない。九州防衛局は「米軍の安全確保の観点から情報公開は差し控える」という。住民の安全はどうなってもいいのか!
今回の演習では実射こそしないがハイマースが持ち込まれる。これは地上から海上の軍用艦をミサイル攻撃するもの。なぜ持ち込むのか全く伝えられていない。報道によればすでに台湾有事を想定した日米共同作戦の原案が策定されたという。奄美、宮古島、石垣島などの軍事拠点にハイマースを置いて中国艦船を排除する作戦。沖縄の基地負担を低減するための日出生台演習なのにハイマースを持ち込むのは沖縄の人たちを戦争に巻き込んでいくにつながる。断じて許せない。
国会でも台湾有事を想定して日本も「敵基地攻撃能力保有の検討すべき」「米国の核兵器を共有すべき」という声がどんどん出されている。「力には力をもって対抗する」ことがどんな悲劇をもたらすか、ロシアのウクライナ侵略を見れば明らか。日米同盟の解消こそ平和の構築になる。ASEANの実践や憲法9条を東アジアに広げていくのが日本政府の使命だ。
実弾砲撃の監視活動を続けている浦田龍次さん
初日の16日から白リン弾をはじめとして174発も激しく撃っている。時間ギリギリの夜8時57分まで撃っていた。本日、米軍の公開訓練が行われるはずだったが中止になった。昨日は米軍による説明会が行われたが米軍が出てこずに九州防衛局が説明をした。初めての事態。前回もそうだったがこの訓練は何が起こるか分からない状況。厳しい監視の目を光らせてこの訓練を拡大させない取り組みを頑張っていきたい。
日出生台で酪農を営んでいる衛藤美和さん。
4月は農作業が始まり牛の放牧を始める時期。日が延びて明るくなるので8時くらいまで農作業をする。そんな中での実弾射撃はいいかげんにしてほしい。米軍が来るようになって20年以上が経ち、移転補償を受け入れて離れた家が3分の1にもなった。反対の声を出す人も減ってはいるが内心、それを良しと思っている人は1人もいないと思っている。みなさんと一緒にがんばって中止させたい。
(2022年4月18日)