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「岸田パンフ」を活用して大運動を

 3月24日、ながさき平和委員会はオンラインで「岸田政権批判パンフ学習会」を開催しました。

 講師を務めた日本平和委員会の千坂純事務局長は冒頭、ロシアのウクライナ侵略について言及—NATOの拡大という脅威だけで武力行使・侵略し、他国領土の一部の独立を一方的に認めたロシアの言い分は、ことごとく国連憲章に違反しており、ロシアがこれまでウクライナを主権国家として認めてきた諸協定とも相反していると批判。また、病院や学校、民間人、原発等への攻撃、更には核兵器による威嚇など、ジュネーブ条約をはじめとした国際法にことごとく違反していることを丁寧に指摘していきました。

 そんな中で、ロシア軍の即時撤去を求める国連決議が141カ国の賛成で可決されており、その土台には世界76カ国以上で取り組まれた反戦の行動など国際世論の発展があると話しました。

 こうした国際情勢のもとで、憲法9条を持つ日本が反戦反核の先頭に立つべきですが、残念ながら反対に、核共有論や非核三原則の見直し、敵基地攻撃能力をはじめとした軍拡や憲法改悪が自民・維新等から持ち出されています。

 特に、敵基地攻撃については、攻撃の恐れがある段階で先制攻撃を行うことであり、国際法違反です。しかも、戦争法(安保法制)によってアメリカを守るために敵基地攻撃を行うことになり、これは新たな解釈改憲です。敵基地攻撃能力保有のためにF 35A・B戦闘機の調達など大軍拡が始まっており、今後は軍事費を現在の2倍にするという声まで上がっています。

 軍拡を続ける中国に対し、アメリカは台湾有事を口実とした日本の南西諸島へのミサイル網を張り巡らせようとしています。そのために奄美〜石垣までの自衛隊配備が増強されています。これは、アメリカのための「捨て石」であり、この軍拡の先には、ロシアのように他国を先制攻撃しかねない道、ウクライナのように日本が戦場になりかねない危険があります。

 千坂さんは、憲法9条と核兵器禁止条約を力にこの道を転換することが今求められていると訴えました。そのために、市民と野党の共闘を発展させる政策を豊かに発展させて平和と憲法を守る世論を広げ、参議院選挙で審判を下そう訴え、平和委員会としては根本にある日米安保条約の廃棄を訴えていくと締めくくりました。

 質疑応答では、ウクライナ大統領の国会で日本を持ち上げた演説の捉え方への質問、若い世代に向けた対話を用いた行動への意気込みが語られました。また、ロシアの侵略を受けて、敵基地軍拡などに流れる危険性があり、アメリカも同様のことをやってきたこと、アメリカと一緒に日本も訓練している事なども伝えないと9条改憲に飲み込まれてしまう危惧と共に、国際正義、国連憲章をベースに置いて考えるべきとの意見も出されました。抗議の声を大使館に届けるにはFAXが効果的なことも紹介されました。

 ぜひ、参議院選挙前までに職場や地域で「岸田政権批判パンフ」を活用した学習会を開催していただきたいと思います。 

(2022年3月25日)