ホームニュース一覧2022

ウクライナに平和と自由を

長崎から世界に呼びかける

 3月6日、長崎市の平和祈念像の前で、ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻に抗議する緊急集会が開かれ、約400人が参加しました。

 はじめに長崎のうたごえ協議会のみなさんがウクライナへの連帯の気持ちを込めて「キエフの鳥の歌」を演奏。続いて集会を呼びかけた被爆者団体や参加者からスピーチがありました。

 平和運動センター被爆連の川野浩一さん:ロシア軍はウクライナの予想外の激しい抵抗に遭って戦闘を拡大強化し、原発を砲撃し、さらに核兵器使用の可能性さえ示唆している。こんな蛮行がこの時代に許されていいのか。怒りと同時に悲しみを禁じえない。プーチンには人としての心、人間としての常識はないのか。

 長崎被災協の田中重光さん:国連の常任理事国であるロシアが国連憲章で禁止されている他国への武力侵略という蛮行に及んだ。私たち被爆者は怒りと恐怖に脅えている。そしてこの機に乗じて安倍元首相や日本維新の会が非核三原則の見直しや米国との核共有を言い出した。彼らは何を考えているのか。日本を再び77年前の惨禍に導こうとしているのではないか。けっして見過ごすことはできない。みなさんと一緒にもっともっと声を上げていく。

 手帳友の会の朝長万左男さん:ナポレオンやナチスドイツから侵攻を受けた国がいま逆に、しかも隣国のかつては友邦であったウクライナに侵攻している。隣人に対する愛情のかけらもない。永井隆さんの「如己愛人」は戦争をしない根本の理想だと思う。ロシアとウクライナの関係を元に戻すために世界中の国々と団結してウクライナを支援していこう。

 原発ゼロ連絡会の川尻瑠美さん:当たり前の生活を失ってしまうのが戦争なんだと実感している。声を上げることしかできないが、声を上げられる国にいる大事さも同時に感じている。民主主義や表現の自由、戦争はイヤだと自由に言えることも、長い年月をかけて手にしてきた。これが壊されていくことに心が痛む。私たちの願いがプーチンに届くことを心から願っている。

 元高校生平和大使の林田光弘さん:プーチンは70年以上守ってきた平和の秩序を壊そうとしている。いまの世界でどうしてこんなことが許されるのか。私たちはなぜ止められないのか、自分の情けなさも感じている。私たちがSNSなどに書き込む一言が多くの人を集め、現地の1人の少年が流す情報が多くの人たちの心を動かしたように、長崎で平和を願う私たちの思いは必ず届くと信じている。

 参加者は「戦争と核兵器の使用に反対し、ウクライナの平和実現を目指して立ち上がることを世界に呼びかける」アピールを確認しました。

(2022年3月7日)