12月2日、ながさき平和委員会はオンライン学習講演会「辺野古はいま」を開催しました。講師は安保破棄・沖縄県統一連事務局長の瀬長和男さん。「辺野古」の現状や展望を熱く語っていただきました。主な内容について「問答形式」で紹介します。
——辺野古新基地建設工事の現状は?
必要な土砂はトラック350万台といわれるが、11月末時点で8.7%に過ぎない。まだ浅瀬の埋め立てなのでまだ撤去は可能だ。
——デニー知事が、沖縄防衛局の設計変更申請を「不承認」としましたが、今後の行方は?
今回も、沖縄防衛局が私人になりすました「行政不服申請」を行うとみられる。しかしデニー知事の「不承認」判断は仲井真知事の「承認」判断と同等の重みがあり、軟弱地盤問題を門前払いにすることはありえず精査が必要になる。期待もするがどうなるかは判らない。
——2010年の稲嶺名護市長誕生がオール沖縄の源流になったとはどういうことですか?
「新しい基地をつくらせない」をスローガンに稲嶺候補に一本化して勝利した。当時は自民党県連も仲井真知事も普天間基地の県外移設を主張。これにオスプレイ配備撤回を加え、全首長・議長が賛同する「建白書」となる。その後の安倍政権の反転攻勢の中で仲井真知事が埋立を承認。怒りのエネルギーから稲嶺再選、翁長知事、そして「オール沖縄」が誕生した。
——前回の市長選敗北の要因は?
安倍政権が総掛かりで攻勢に出た。沖縄振興担当大臣補佐官が露骨な利益誘導。大手ゼネコンから地元に基地建設の仕事を回す。国会議員が団体を訪問し選挙名簿の元となる情報を入手。徹底したデマ戦術。創価学会も動員をかけ期日前投票に誘導。結果的に投票の6割が期日前という異常な選挙になった。
——衆院選沖縄3区は残念な結果でしたが。
名護市でも1300票差がついた。立憲が3区と4区に候補者をたてたが、強い社民と合流したばかりで力量不足だった。沖縄は比較的「ゆるい」選挙ができたが今回は警察が取り締まり強化を徹底したことで選挙が見えず投票率が低下し、過去3番目の低さになった。
有力な経済グループがオール沖縄から離脱して自民党支援に回ったが、その影響はあまり大きくはないようだ。デニー知事の不承認判断への支持世論は7割を超える。オール沖縄は個々人の思いが支えている。
——1月23日投票の名護市長選挙の意義は?
県内移設容認は米軍基地の永続を許すこと。名護市政奪還は新基地建設反対の民意を再び示すことになり、オール沖縄の流れを太く大きくし、参院選、県知事選勝利へとつなげられる。大浦湾周辺の観光などの有効活用で、市予算に匹敵する500億円の経済効果が見込まれることをアピールする。勝利のためには徹底的に選挙ムードを盛り上げて投票率を上げる必要がある。
長崎からも激励の檄布やカンパ、SNSで候補者ともつながって拡散するなど工夫を凝らした支援をお願いしたい。
(2021年12月3日)