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役割を大いに発揮し、担い手を広げよう

初めての九州ブロック平和学校 開かれる

 2月9日、福岡市内で初の九州ブロック平和学校が開催されました。平和学校では、「平和委員会の性格と歴史、今日の役割」(千坂純・日本平和委員会)、「九州の軍事化の全体像と平和委員会の役割」(冨塚明・ながさき平和委員会)、「明るく楽しい地域・職場平和委員会活動のカギはどこに?—大阪の経験から」(上羽治雄・大阪平和委員会)の3報告がありました。

【平和委員会の性格と歴史、今日の役割】
 千坂純さんは、今年創立70周年を迎える日本平和委員会の活動は、憲法を破壊して米国と海外で戦争する道に引きずり込んでいく日米軍事同盟強化とのたたかいだったことを紹介し、その中で日本平和委員会がつくりだしてきた2つの今日的な性格を指摘しました。

 第1は平和を求める一点で活動する広範性と、日本の平和を実現するために軍事同盟から脱却することをめざす独自性。平和委員会は基地問題、軍事同盟反対だけの団体ではない。それらは手段であって、原点は平和を守ること。平和を守ろうとする人なら誰でも入って、いろんな要求で活動していく。と同時に、平和を破壊していく根源にある基地・軍事同盟や戦争する国づくりの具体的な動きにもしっかりと目を向けて、反対運動を広げていく。

 これは今日の平和運動の状況を見ると大事な意義を持っている。9条の会、ヒバクシャ国際署名、市民と野党の共闘、そして沖縄のたたかいも、基地や安保条約の問題についての意見の不一致を越えての運動。だからこそ安倍政権を幅広く包囲できる。しかしそれだけでいいのか? 基地や軍事同盟の状況を語っていく人たちがいてこそ運動をより強く鋭いものにすることができる。平和委員会は新しい未来をつくっていく上で大事な役割を果たしていける。

 もう一つは個人加盟性。様々な共闘団体があるが本気に活動をやるように進めていくには団体が決めなくても個人の情熱で自分のところから動き始める。それが運動を強化する。その点で安保条約の問題をしっかりと掲げて運動を進める平和委員会はとても大事だ。そのためにも基礎組織が必要で、様々なアイデアを出しあって豊かな活動をつくっていく。会員のエネルギーを実らせるために絶えず企画・学ぶ場をつくって呼びかけていくことが必要。

 平和委員会の長年の活動が核兵器廃絶でも基地・安保のたたかいでも、憲法9条守るたたかいでも大きな成果と変化を生み出してきた。核兵器禁止条約の発効に向けた流れ、辺野古新基地建設と改憲を阻止できる可能性、軍事同盟を脱却して北東アジアの多国間安保体制をつくる新たな展望が生まれているなか、平和委員会の役割を発揮して元気に活動し、全国大会に向けて仲間の輪を広げよう”とよびかけました。

【明るく楽しい地域・職場平和委員会活動のカギはどこに?—大阪の経験から】
 会員数1700人超で全国一を誇る大阪平和委員会の上羽治雄さんは、県・地域組織をどう運営したらいいか、青年が参加しやすい状況をどうつくるか、仲間づくりのヒントとなる経験をいきいきと報告してくれました。

 大阪府の基礎組織は18地域6職場+青年学生協議会で役員は74人いるが3割以上が女性。上羽さんは、女性が企画した「天王寺動物園に行こう」「沖縄料理を楽しもう」「ふふふ平和展」などは男性からは出てこない発想だ。女性の比率を変えない限り、組織は変わらないと強調しました。

運営の基本:機関会議では必ず学習をセットし、参加してためになるものに。ミーティングは楽しい会に。全員に発言してもらい、若い人(新しい人)の参加を心がける。
運動の進め方:他団体との協力・共同活動を誠実に行う一方で独自の「意表をつく」「タイムリーな」企画を実施。
運動の見せ方、見られ方:平和委員会の幟、横断幕をいつでもどこでも鮮明に掲げること。また運動しっぱなしにせずに報告記事をHPにアップしたり、大阪民報に記事写真を送って掲載してもらう。
仲間の増やし方:仲間づくりだけを話しあう組織委員会を毎月開催。会員減少数が多いので一本釣りでは限界がある。会員を核に基礎組織を各地につくり、そこを中心に増やさない限り増えない。毎年1つの組織を新設している。この6年間で年平均会員75人、新聞43部を増やした(純増)。
青年へのサポート:青年が事務所を自由に使えるようにしている。冷凍庫にはアイスクリームが満杯、お菓子も常備。青年が会員を拡大したら図書カード進呈。青年を諸団体の行事へ派遣して発言させ、成長を促す。
催し物などを青年にSNSで発信してもらう。会員以外の参加があるが、青年は忙しく時間がとれないので強引さはダメ。青年を窓口にして緩やかにつながり、機会を見て入会のアプローチをする。核になる青年を増やしてその周りに広げていくしかない。

(2019年2月10日)