12月2日、唐津市の松浦川湖畔公園で玄海原発の再稼働に反対する九州総決起集会が開かれ、約1700人が参加しました(主催:さようなら原発1000万人アクション佐賀県実行委員会)。
ルポライターの鎌田慧さんは、原発が止っていても国民生活に何の支障もない中、安倍政権・原子力規制庁はやみくもに原発再稼働を推し進めていると強調。東電は事故の責任を取ろうとせず、負担は国民に押し付けて逃げようとしているが、九電も同じ犯罪の道を進んでいる。少しでも儲けようとしているからだ。人の命はどうでもいい。未必の故意とも言える。事故があったらどうにもならないと指摘しました。
また鎌田さんは再処理に言及。各地の原発で使用済み燃料はどうするのか聞くと「六ケ所村へいくので大丈夫」と返ってくる。しかし再処理工場は30年経っても稼働していない。なんと24回も「来年やる」と延ばし、各地の原発を稼働させてきた。これはペテン。儲かればいいという資本主義の最も腐敗した価値観とたたかい、平和な社会を私たちの手にもう一度取り戻す。それが「さよなら原発の運動だ」と訴えました。
福島原発刑事訴訟支援団の佐藤和良団長は事故から6年8か月が過ぎた現状を報告。正式発表以上の人が実際には避難している。災害の無償住宅提供が今年3月で打ち切りとなり、追い出される人も出てきた。国・東電の無責任さが被災者・被害者の生活に重くのしかかっている。玄海原発が再稼働すれば福島で起きていることが皆さんに降りかかる危険性があると訴えました。また裁判の中で、「東電は15.7mの津波対策として防潮堤を検討していたが、中越地震で新潟の原発が止って赤字になったため、建設を断念したことが明らかになった」と、人命より利益を追求する姿勢を告発しました。
唐津の成冨忠良さんは玄海原発誘致の時から、おかしいんじゃないか、と先輩たちとずっと運動を続けてきたといいます。「福島の事故原因も収束の道筋も見えていない。そんな状況下で再稼働を許すことはできない。県民世論調査でも再稼働反対が賛成を上回っている。賛成する人でも事故の恐れや避難計画が実現可能かどうか疑問を持っている。再稼働反対の声は党派に関係なく上げていこう」と訴えました。
(2017年12月3日)