東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から5年目を直前にした3月6日、長崎市平和会館で「フクシマを忘れない!再稼働反対!さようなら原発ナガサキ集会」が開かれ、約300人が参加しました。
主催者あいさつで、藤田祐幸さんは、自分の足でチェルノブイリ原発周辺や、コソボ・イラクの劣化ウラン被弾地を調査して情報を発信してきたが、自身がガンになってしまい静養するはめになった。しかし安倍首相の悪政に立ち向かうと活動の「再稼働」宣言をしました。そして「日雇い被ばく労働者がいなければ原発維持ができないが、彼らは補償がなく見捨てられてきた。そしてフクシマの事故で住民が彼ら以上の被ばくを強いられ、また何十年かかるかわからない廃炉作業に何十万人もの労働者がかりだされる。広島・長崎の被爆を原点とする私たちはこれ以上の被ばくを許さないという大きな視野に立とう」と呼びかけました。
ルポライターの鎌田慧さんが「さようなら核社会!アベ戦争内閣をはねかえそう!」と題して講演。「さようなら原発…」「戦争をさせない…」の組織の名称は単に反対ではなく、立ちはだかって永遠に止めるという決意を表した。そこには安倍政権によって自分たちの戦後の全てが根底から崩されようとしていることに対する憤怒があると語りました。
原発はすべてにおいて破綻していることが明らかだが、推進側は5年経ってまた同じようにやろうとしている。今度は「経営安定のため」だ。しかし立地上、避難計画さえ十分でなく、後のことはどうでもいいとは人倫にも劣る。しかも原発の輸出まで進めている。しかしそれは残念ながら国民の声が弱いからだ。反対運動する側も、「作らせない」「再稼働させない」などが中心で、地元の人たちの日々の生活へ波及する問題などにあまり目を向けてこなかった弱点がある。
その点で沖縄のたたかいは力がある。基地から脱却し誇りある経済をめざすことに多くの県民が支持を寄せた。だから国に一歩引かせた。
いま本当にしんどいところにいるが、こちらには平和・人権・自然と生きるなど、時代を読んだ論理がある。きちんと運動すれば向うは自滅する。子どもたちが普通に暮らしていける社会のために頑張っていこうと結びました。
集会終了後、参加者は「原発いらない」「原発よりも命が大事」などとコールしながら長崎駅前までパレードしました。
(2016年3月7日)