つかんだ未来への希望は放さない
戦争法制撤回へ新たな運動のスタート
戦争法制の成立は許してしまったが、国民的大運動はたたかいの中で大きな展望を見いだした。長崎市でも9月16〜19日、4夜連続で憲法共同センターと戦争への道を許さない!1001人委員会、N-DOVEの共催する集会が持たれ、延べで3000人以上が参加して思いをひとつにした。スピーチの一部を紹介する。
- 子どもたちが安心して生きていける世の中であってほしいと様々な活動をしてきた。しかし平和でないとその意味がなくなる。戦争させるために育てたのではない。国の悪政で困難をたくさん抱えた世代。これからの日本を担っていく若者たちが未来に希望を持って生きていける社会に力を尽くすのが政治の仕事。憲法が日本の宝であることが戦争法案を通して国民の胸に刻まれた。きれいな憲法をそのまま子どもたちにバトンタッチしたい。
- オリンピックの新国立競技場とエンブレムは、国民の理解を得られないとして白紙撤回された。でも安保法制反対の声がこれだけあるのに白紙撤回されない。辺野古新基地建設もあれだけ沖縄県民の反対の声があるのに撤回されない。アメリカがかかわっているからです。
- 高校の現場では18歳選挙権とかかわって主権者教育の重要性が議論されている。しかしそれが本当に必要なのは安倍首相をはじめ自公の議員たちだ。
- 声を上げることのなかった若者たちが声を上げたことが新鮮に受け止められている。でも特別なことではない。これはこの国に生きるすべての人の問題だから。たとえ止められなくても絶望でもなければ終わりでもない。これからが本当の始まり。ひとりひとりが考え、行動している。ここに希望がある。
- 平日の夜にすごい数の人たち。安倍政権は確実に追いつめられている。国民の声を無視してこの国の未来が決められようとしている。どこを見て政治をしているのか。不安や怒りを覚えてここに出てきている。群衆の声が聞こえないのか。平和は誰かから与えられるものではなく、自らの意思で守り引き続けていくもの。いつだって未来は私たちの手の中にある。私たちは未来から見つめられている。問われている。憲法・民主主義は私たちの血肉となって私たちを突き動かしている。
- かつては職業軍人たちが国民を戦争に引きずり込んだ。ところがいまは文民の政治家たちが法案を整備して自衛隊員を、将来的には国民を戦場に立たせようとしている。
- 思えばこれまでもいつだってあたりまえの感覚は無視されてきた。世界の人たちの血が流れているのなら、日本人の血を流すのではなく、世界の人たちが血を流さないようにしようと考えるべきでしょう。戦争はいったん終わっても、体験者の中ではずっと終わらないのです。絶対に始めさせてはいけません。民主主義は止りません。名前も顔も知らない人たちが背中を押しあって支え合ってる。力は日々蓄えられています。つかんだ未来への希望は絶対に放さない。
- たたかいの中で2つの宝物を得た気がします。ひとつは日本国憲法を再び私たちの手に取り返したこと、主権者は私たち一人一人です。そして若者たち—一人一人のスピーチに涙・涙です。全国で声を上げ始めたことは日本国民にとっての希望です。
- 強行採決にバリむかついています。バリ怒り心頭です。しかしあんな方法でしか採決できない状況は確実に安倍内閣が追いつめられているということ。この3日間を通して感動しています。家族がいて、仕事があって、忙しい中、平日の夜にもかかわらず連日700人以上が集まって反対の声を上げている。これが民主主義だと思う。
- 非正規雇用者、ワーキングプア、病院に行けない高齢者、路上生活者、生きるのが精一杯の人たちがあふれている。ほんとうに日本を守る気があるのなら、目の前にいる人を助けてください。どんどん増やす国防費を福祉に充ててください。それでどれだけの人たちが救われるか考えてください。安保法案が通れば自衛隊の志願者が間違いなく減ります。そのとき真っ先に目をつけられるのは経済的に弱い人たちです。私たちは安倍さんの操り人形ではありません。自分たちの頭で考え、進むべき道を進んでいきます。
- 戦争法の中身は時々の政権の意思で戦争ができること。先制攻撃も可能、米軍の手足となる。人の命が左右されるのに国民の声を聞かずに強行する「てめえたちは人間じゃねえ」。伸び代の多い青年の変化は素晴らしいが、伸び代の少ないおじさんたちの変化もまた素晴らしい。この変化は未来。このたたかいは必ず勝ちます。なぜなら勝つまでたたかうからです。
- 戦争は人を殺すこと。それで生まれるのは憎しみ。人が撃たれたから撃ち返して、それで平和な世の中が生まれるのか。人と人が協力していくのが平和だと信じている。来年の参議院選挙で初めて行使できる選挙権で法案を強行した議員に思い知らせてやりたい。
- 立憲主義とは憲法の枠内で政治をしましょうということ。これができないと近代国家でなくなり中世に戻ってしまう。戦争法制をもし元に戻せなかったのなら、日本人にこの憲法はまだ早かったのかもしれない。選挙を通して、違憲訴訟を通してたたかっていこう。
- 九条を読めば、軍事同盟を結んだ相手国のために参戦する集団的自衛権が出てくる余地は全くない。戦争法案は憲法九条に違反することは誰でもわかる。自公とその他3党は、違憲であることを何度も何度も指摘されながらも強行した確信犯である。憲法の遵守擁護義務を課した99条違反だ。私たちは多くの違いを乗り越え、力を合わせることができた。全国に広がる戦後最大規模の新しい国民大運動をつくりあげた。これが国会内で野党の共同のたたかいを後押し、安倍政権を答弁不能に追い込んだ。国民こそが国を動かす。国民こそが主権者だ。そのことに国民の多くが実感している。賛成議員を次の選挙で落選させ、自公を政権から引きずり下ろし、軍国主義の到来にとどめを刺そう。
(2015年9月21日)