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秘密法施行日に「戦争はイカン!」の声

憲法共同センターが街頭宣伝

 秘密保護法の施行日となった12月10日夕方、憲法共同センターは毎水曜日の街宣活動を行いました。この行動に13人が参加し、チラシ400枚を配付するとともに、秘密保護法廃止を求める署名58筆、集団的自衛権反対署名22筆を集約しました。マスメディアが注目。放送局や新聞社も取材に訪れました。

 チラシの一面には「子ども・若者を戦場に送らない! 12・14『平和な日本』か『戦争する日本』が選択の日」を、もう一面には憲法共同センターが9日に出した「特定秘密保護法の施行にあたって、改めて、特定秘密保護法反対とその廃止を求める声明」全文を載せ、配付しました。

 チラシを受け取った人や署名に応じた人は次のような感想を語りました。

 ある若い男性は「安倍さんは日本が持つ武器を使いたいのだ」とその政策に理解を示していましたが、話をする中で「自分は安倍の政策に賛否を表すことは何もやっていない。しかし(反対の)署名はやりましょう」と応じました。

 また、元自衛官という女性は自らすすんで署名。家族を含めて7,8人の名を書き、集団的自衛権への強い危惧の念を表しました。

 さらに複数の男子高校生は、集団的自衛権の行使は戦争につながることを聞き、「戦前にしてはいけない」と署名しました。11人が参加し、集約した署名は66筆でした。 話しを熱心に聞いた男子高校生3人は「チラシ配りや署名の訴え、頑張って!」

(2014年12月11日)


改めて、特定秘密保護法反対とその廃止を求める声明

 特定秘密保護法は2013年12月、国民の多くの反対を押し切って成立した法律です。

 私たち憲法改悪阻止長崎県共同センターは、多くの県民や団体、学者、弁護士、マスメディア、宗教界などの関係の方々と協力しながら法律の問題点を指摘し、法律の成立に異議・反対を唱えてきました。強行成立された以降も、緊急シンポなどを開催しそこで述べられた「特定秘密保護法は廃止しかない」という強い声を背景に法律の具体化を許さない署名街宣等にとりくんできたところです。

 国民世論の盛り上がりに押された安倍内閣は、特定秘密保護法の指定とチェックの仕組みを導入しましたが、「独立公文書管理官」や「情報保全監視委員会」は政府内のいわば身内の組織であり、しかも資料提出や是正を求めてもこれを拒否することも可能というものです。また、国会内には「衆参両院情報監視委員会」が設置されたものの、特定秘密の提出を勧告できるが強制力はありません。

 また、政府の素案に対するパブリックコメントには、私たちを含め2万4千近くの意見が寄せられ、その多くは反対を表明する意見だったといいます。

 このように、特定秘密保護法に対する国民・県民の不安、危惧は何一つ払拭されるものではありません。私たちが指摘し続けた問題点を3つ上げると次のようになります。

 第一点は、国民の代表である国会議員でさえ十分に何が秘密なのか知らされないという問題です。しかも議員が知り得た「秘密」事項について、これを明らかにすれば「懲罰」の対象となる恐れがあります。また、マスメディア関係者が取材を通じて得た「秘密」事項を公開すると同様の罰則が科せられることもあるのです。

 第二点は、何が秘密なのか、その時代にいきる国民にはわからないということです。60年経て開示されたとしても遡って秘密指定の適否を考えることはほぼ不可能と言わざるを得ません。時の政府や政治に都合が悪い情報は隠される恐れが大いにあるのです。

 第三点は、法案の国会審議で明らかになった「現行法の下で防衛秘密事項は4万件以上」に加えて、特定秘密保護法で新たに秘密にする情報とは何かを考えたとき、情報公開のレベルが極端に低くなり際限なく拡大していく可能性を否定できないということです。事実、報道によると行政機関が保有する特別管理秘密が46万件あり、これがそのまま「特定秘密に移行する見通し」であることが明らかになっています。

 私たちは国会の論議や報道の自由の結果を通じて政治や合意形成に参加しています。これは民主主義の発展に不可欠なことです。しかし、前述の問題点と照らし合わせたとき、特定秘密保護法の運用具体化は、私たちの自由な表現活動を阻害し続けることは間違いありません。

 いま衆議院が突然解散され、総選挙中ですが、安倍首相は解散のスケジュールを集団的自衛権行使容認を閣議決定した7月には考えていたといわれています。政権内の極めて特定の人物との極秘協議ですすめられた解散総選挙ということです。この事態をみたとき、今後、特定秘密保護法による恣意的運用で、論議やそこに至る過程は伏せられて、突然、結果だけが国民に知らされるということも考えられないとも限りません。

 私たち憲法改悪阻止長崎県共同センターは、特定秘密保護法の施行に反対するとともに、時の政権の動向を注視しつつ、その法律の廃止を求めて今後ともとりくむことを明らかにするものです。

2014年12月9日
憲法改悪阻止長崎県共同センター