スクリーンに叩きつける伝えきれない沖縄
11月30日、長崎銀屋町教会でドキュメンタリー映画『標的の村』の上映会があり130人が観賞しました。参加者からの感想を紹介します。元々は琉球朝日放送が30分番組用として作成したもの。それを90分の映画にして13年8月から劇場上映。現在も自主上映会が全国各地で続けられています。
- アメリカ軍基地・専用施設の74%が密集する沖縄。2012年6月26日、沖縄県議会はオスプレイ配備計画の撤回を求める抗議決議・意見書を全会一致で可決。9月9日の県民大会は10万の人々が結集。その直後、日本政府は電話一本で県にオスプレイ配備を通達。ついに沖縄の怒りが爆発した。沖縄のマスコミ人が地元の人とともにたたかい、撮影したドキュメント!命をかけてたたかい続ける姿は涙なしでは見ることができない。
- “私は何も知らなかった”という思いで一杯になった。沖縄に米軍基地が集中していて米兵による事件・事故が多発し、基地はいらないと反対運動があるという表面的な情報だけで知っている気でいた。愛する地で普通に暮らしたいという素朴で当り前のことが、強力な権力で踏みにじられる。人間の尊厳をかけた闘いに涙が止まらなかった。全国民、この映画を見て沖縄の現実を知って欲しいと思う。秘密保護法撤廃!
- 沖縄で起こっている様々な事、自分ではわかっているつもりでいたけれど、現実は私の考えていたものを大きく飛び越えてすごかった。怒り、哀しみ、突き上げてくる様々な想いで涙があふれて止まらなかった。今まで知ったつもりでいた自分が恥ずかしい。と思った。これは沖縄だけではない、私たちの民主主義が踏みにじられているのだ。そしてこの現実を報道しようとしないマスコミは絶望的。
- 非暴力で毅然として沖縄防衛局に対峙する、今は亡き大西輝雄さん。その言動にはいつも魂を揺さぶられる。米国言いなりの日本政府の横暴とそれに抵抗する住民—日米安保の真の姿が生々しく描かれている。基地建設阻止の座り込みをする住民を国が訴えるという前代未聞の弾圧訴訟。ヘリパッドいらない住民の会の伊佐真次さんだけが有罪判決をうける。狙い撃ちと運動の分断が狙いだろう。今年6月に最高裁で敗訴が確定してしまった伊佐さんだが、今年9月の東村議会選挙で、3度目の挑戦で見事3位当選。継続した運動の力を実感する。佐世保基地を抱える私たちの運動も問われている。
(2014年12月1日)