崎辺地区:手前側を埋め立てし延べ800mの岸壁を建設。その奥に水陸両用強襲車両の基地を建設。
11月9日、長崎県平和委員会と長崎県原水協は学習会「戦争する国づくり—どう変わる佐世保基地」を開きました。ながさき平和委員会の冨塚明さんが米軍佐世保基地の現状と自衛隊基地の変貌について講演。
■米国のアジア太平洋戦略の拠点として
冨塚さんは、「アジア太平洋地域を重視し、同地域へのプレゼンスを強化する」というアメリカの国防戦略指針(2012年)を紹介。海外の米軍基地が40カ国・地域に576(2013年9月末)ある現状を語り、日本が出撃・補給・輸送・訓練拠点になっていることを説明しました。
佐世保基地は、沖縄の海兵隊を輸送し、海から空からの殴り込みをかける強襲揚陸艦部隊の基地であり、いっそうの強化が図られようとしています。来年2月にはオスプレイの第2のプラットホームとなる最新の揚陸艦グリーン・ベイが配備予定。さらに掃海艦に代わって、機動力と攻撃能力が飛躍的に強化された沿海域戦闘艦が2018年までに配備されようとしてます。
■日本版海兵隊の一大拠点に
一方、陸上自衛隊には、日本版海兵隊となる「水陸機動団」を新設し、佐世保の相浦駐屯地と崎辺地区をその一大拠点とする計画が進行しています。
冨塚さんは、新防衛大綱や中期防衛力整備計画(2013年12月)を紹介して、日本が「戦争する国」となるハードな面である自衛隊の大変貌構想を説明し、水陸機動団はその中心になるものと指摘しました。
崎辺地区西側には水陸両用強襲車両の駐屯/訓練基地が、東側には(写真の手前側)には長さ延べ800m近い輸送部隊の岸壁の建設が計画されています。接岸するヘリ護衛艦にはすでにオスプレイ搭載能力があります。またオスプレイは配備が計画されている佐賀空港から崎辺地区まで6分ほどで飛来します。
■佐世保が日米海兵隊の出撃基地にされる
日米が来年に再改定を行う「ガイドライン」=戦争での役割分担、は「地球規模」で自衛隊に集団的自衛権が行使させることを前提にしています。「水陸機動団」は米強襲揚陸艦部隊をモデルにして構成されます。このままでは佐世保が日米の海兵隊部隊の出撃基地と化す危険性がひじょうに高くなります。
会場からは佐世保基地に投入された「思いやり予算」の金額や、防衛省は航空法に違反するオスプレイの飛行をどう説明するつもりなのか、などの質問が出されました。
(2014年11月10日)