3月24日、武田良太防衛副大臣が佐世保市を訪れ、崎辺地区を水陸機動団(=日本版海兵隊)の拠点とする方針を伝えました。
すでに西日本新聞と長崎新聞が、崎辺西側の佐世保重工業(SSK)社有地を買収して水陸両用車両部隊を配備する計画を報道していましたが、防衛省がその概要を明らかにしました。部隊の庁舎・隊舎・整備場などを設置し、陸上に水陸両用車の訓練区域を、海上にも訓練海域を設けます。
さらに重大なことは、崎辺東地区の崎辺海軍補助施設(LCAC駐機場跡地)に当初の海自大型桟橋計画をやめて、埋立を伴うL字型の大規模岸壁を建設するとしたことです。
おおすみ型輸送艦、ひゅうが型/いずも型護衛艦の接岸を念頭に置いています。おおすみ型輸送艦はLCACを搭載し、医療設備も備え、米軍のドック型揚陸艦に相当するものです。中期防衛力整備計画でも水陸両用戦に係る輸送能力を強化するための改修等が計画され、14年度予算に計上されています。
また、ひゅうが型/いずも型護衛艦は大型の「ヘリ空母」でオスプレイの運用が可能です。昨年6月に米軍との共同演習「ドーンブリッツ」では「ひゅうが」にオスプレイを着艦・格納させています。この点では米軍の強襲揚陸艦に相当するといえます。そして16年度末には、いずも型2番艦が佐世保に配備となります。
水陸機動団は最大3000名規模になると言われています。中核となる第1連隊700名は相浦駐屯地の西部方面普通科連隊の改編によるものです。52両の米国製の水陸両用強襲輸送車の部隊が崎辺西地区におかれ、東側にはその輸送部隊が接岸して機動的な展開が可能となります。近隣には陸自オスプレイも配備されるかもしれません。日米の強襲揚陸部隊が佐世保から出撃という事態も起こり得る状況となってきました。
一方、佐世保市長は「防衛施設が所在する自治体の長として、国防上必要とされる自衛隊施設の整備・充実に向けて、今後ともできる限りの協力をさせていただく所存」とのコメントを出しました。
水陸機動団は、巧妙に危機をあおり、軍事緊張をエスカレートさせながら「集団的自衛権」行使を狙っていく安倍政権の戦略の大きな柱です。決して「国防上必要」なものではないのです。
(2014年3月25日)