3月18日、県平和委員会と安保破棄実行委員会による「集団的自衛権」問題の連続学習会がスタートしました。1回目は、「いまなぜ集団的自衛権か」のテーマで山下千秋さん(日本平和委員会全国理事)を講師に開き、27人の参加がありました。
安倍政権は戦争司令部(国家安全保障会議)を創設し、「戦略」と「方針」を定め、これからは集団的自衛権行使を可能とする法律の整備に向けて動き出そうとしています。山下さんはこの背景には米国と財界の強い要求があると指摘しました。
米国はこの10年間に戦争維持経費だけでも100兆円を捻出した結果、財政的に大きく疲弊し軍事費削減を招いています。また帰還兵士の自殺者が戦死者を上回るといった状況を生みました。これらの肩代わりを日本に求めているというのです。また日本財界にとって武器は大きな儲け口になります。
山下さんは安倍内閣が狙う「戦争する国づくり」を3つの柱として説明しました。
第一はいままで曲がりなりにも海外派兵法にあった憲法9条からくる歯止めを外し、戦闘地域で武力行使ができるようにすること。第二は専守防衛の「実力組織」としてきた自衛隊を統合的に展開できる軍隊に大改造すること。第三は海外での戦争に国民を総動員できる仕掛けをつくることーすでに秘密保護法が制定され、教科書の内容統制や教育委員会制度改悪の動きなど、愛国心教育にも着手。
山下さんは安保条約の下で在日米軍、海自、陸自、空自がすでに大増強され、日本版海兵隊も佐世保に創設される。戦い方のノウハウは米軍との訓練で身に付け、いつでも戦争できる体制が整った。しかし憲法9条と平和を願う国民世論という障害が立ちふさがって動くに動けない。これを突破することに安倍首相は執念を燃やしていると指摘しました。
そして最後に、「日本の平和的進路がこれほど鋭く問われている時はない」と述べ、この真実を知らせ、幅広い運動を通して安倍内閣の暴走を止めようと呼びかけました。
(2014年3月19日)