防衛省が崎辺地区西側の佐世保重工業(SSK)所有地(13・4ヘクタール)を買収して、新設される「水陸機動団」(日本版海兵隊)の水陸両用車両部隊の駐屯地とする計画が進行していることを2月26日付の西日本新聞が報道しました(翌27日付で長崎新聞も)。
「水陸機動団」は3つの連隊で編成され、各部隊約700名。第1連隊は相浦駐屯地の西部方面普通科連隊の改編によるもので15年3月に、その準備隊が発足します。中期防衛力整備計画(14〜18年度)では52両の水陸両用車を購入して「水陸両用部隊」を設置、水陸機動団は最大3000人規模になるとみられています。報道ではSSK所有地が米軍のLCAC駐機場跡地に隣接し、上陸作戦訓練に適した地形に加え、機動団司令部の置かれる相浦駐屯地に近いことから候補地となったとしています。
佐世保市はかねてからLCAC駐機場跡地に大型桟橋を建設して艦艇や自衛隊施設の集約を計画していました。前の防衛大綱に潜水艦増強が盛り込まれてからは潜水艦基地の誘致も要望しました。しかし係留施設、訓練施設の設置や救難艦の配備などで多額の予算がかかり誘致は困難となりました。ところが2月14日の佐世保市議会基地対策特別委員会で市長が、防衛省は「潜水艦以外の乗り物」の配備を検討していると発言しました。当然、「乗り物」は水陸両用車と想像されましたが、「跡地」は52両の駐屯地としては手狭と思われました。そこでSSK所有地の買収です。おそらく「跡地」にもくい込む形で駐屯地がつくられると思われます。佐世保重工業は、14年3月期の純損益が36億円の赤字に陥る見通しで、買収に前向きといわれています。
もともと崎辺地区はSSKのドック建設のために市民挙げての運動が実り、米軍から返還された土地です。東側はその後、米軍に再接収され崎辺海軍補助施設となりましたが、LCAC移転後は再び日本に返還されることになっています。当然、跡地は市民生活に役立つ方向で活用されるべきです。
(2014年2月26日)