2月21日、原発ゼロをめざす長崎連絡会の第3回総会が開かれ、約50人が参加しました。議事では1年間の活動を踏まえ、「あじさい行動」の継続、学習講演会の開催、被災地との連携、ニュース紙面の充実、事務局体制の強化などの方針を決めました。
ふくしま復興共同センター代表委員の斎藤富春さん(福島県労連議長)が「福島原発事故の実態と県民のたたかい」と題し記念講演、被災地の映像もDVDで紹介しました。
■震災×原発事故の実態
原発事故は、福島県民の「生存権」「居住権」「財産権」そして「幸福追求権」をことごとく侵害。家屋全壊・半壊は約9万5千戸という甚大な被害。津波・地震の直接死よりも「関連死」が上回る。自然災害だけならもっと多くの人が助かっていた。原発事故の放射能がそれを妨げた。避難者は14万人近く、7町村は仮設役場で業務。
■程遠い原発事故の収束・廃炉
いまだに冷却水漏れの場所が分からない。数時間で人が死ぬほどの高線量の場所がある。開発中のロボットで状況を把握するが、故障で戻らないロボットの回収は下請け労働者の仕事。
除染は進んでいない。廃炉先進国のイギリスは正常停止の原子炉の廃炉に90年をかける。福島事故原発の40年での廃炉に見通しはない。
■加害者が被害・賠償額を判断
東電は損害賠償に“相当因果関係”を求めてくる。結婚で打ち切られたり、低汚染地での請求が門前払いのケースも。加害者意識がない。
■原発/除染労働者の実態
労働者は原発に5,000人。除染に22,000人。多重下請け構造でピンハネが横行している。アンケート結果から(1)偽装請負、(2)労働条件を示さない、(3)最低賃金未満、(4)危険手当加算なしの労基法違反の実態が明るみに出た。
■たたかいが自治体を動かす
県議会が県内全原発廃炉請願を全会一致で可決した。元々は常任委員会では否決されたものだが、県民の運動が追いつめ、流れを変えた。県知事が全廃炉を決断して復興計画に明記、18歳以下の県民医療費無料化を実施した。
農民連は弁護士なしで賠償を勝ち取るなどの奮闘している。彼らのスローガンは“単なる被害者では終わらない。時代の魁となろう”というもの。県民過半数の「即時ゼロ100万人署名」運動で「オール福島」の広がりと強化をめざしたい。
(2014年2月22日)