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長与町議会が秘密保護法撤廃求める意見書可決

 12月16日、長与町議会は「特定秘密保護法の撤廃を求める意見書」を賛成11、反対7の賛成多数で可決しました。日本共産党の二人の町議が中心となり、社民・民主・無所属・元自民の議員にはたらきかけて実現したものです。

 「一点共闘」ができた直接の要因はマスコミや文化人などを含めた大きな反対運動が広がったことですが、背景には「九条の会」の活動の着実な積み重ねがあります。1万6000戸を6年かけて訪問、九条守れの署名は7500筆を数えました。年1回の発起人会には町長や議長も参加します。一方、「来年4月からの消費税増税中止を求める意見書」も10対8で可決されました。

(2013年12月19日)


特定秘密保護法の撤廃を求める意見書

 先の臨時国会において国民多数の反対の声を踏みにじり、特定秘密保護法を強行採決した政府与党に対し、多くの長与町民が憤りを感じる。

 国民の7割、8割が慎重審議、反対を求めている中で、衆議院に続き参議院でも強行採決を繰り返す暴挙は許されない。

 特定秘密保護法は、国民主権の原則に反しているのはもとより、国民を重罰で脅す基本的人権の侵害である。

 また、国家安全保障会議(日本版NSC)の設置と一体で、憲法9条にある不戦の誓いを脅かす行為は、平和主義の侵害という点でも、憲法の諸原則を破壊する最悪の違憲立法であり、憲法違反の法律は撤廃すべきである。

 秘密保護法に対する疑問の声は、与党の公述人も慎重審議を求め、憲法学者や刑法学者、弁護士など法曹界、ジャーナリストやその労働組合、出版関係者や演劇人、映画人など、およそ国民の「知る権利」や言論・表現の自由に関わるあらゆる分野はもとより、政党的立場や政党支持の枠を越えて、強行採決後もさらに広がっている。

 秘密保護法は、「行政機関の長」が「安全保障」に妨げとなると判断すれば、行政情報を「特定秘密」と指定し、公務員や国から仕事を請け負う関連事業者が、故意であれ過失であれそれを漏らせば、最高懲役10年もの重罰を科せられる。さらに、なにが秘密かそれ自体が秘密で、「行政機関の長」の判断で「特定秘密」がどこまでも広がる危険性を含んでいる。

 また、「特定秘密」の保全を義務づけられる公務員だけでなく、なにが「特定秘密」に指定されているかを知らされていない国民も、行政情報を知ろうとした場合も取得しようとしたとして重罰に処せられ、未遂でも、共謀・教唆・扇動したとして処罰の対象になり、裁判にかけられるときにも、どんな「特定秘密」を取得しようとしたのかは公開されないという、国民の目、耳、口をふさぐ、弾圧立法である。

 かつて、治安維持法の体制の下、大本営発表で国民を欺いたあの戦争の誤りを繰り返してはならない。

 憲法に明記してある、「国民の代表機関」「国権の最高機関」「唯一の立法機関」の役割を果たすならば、国民が納得しない特定秘密保護法を直ちに撤廃することを強く要求する。

 以上、地方自治法第99条にもとづき意見書を提出する。

平成25年12月16日
長崎県長与町議会