9月22日、長崎県母親大会が開かれ、弁護士の中村照美さんが「生命ある今!!やめさせよう戦争参加への道」と題して講演しました。
中村さんは福岡・長崎でカネミ油症裁判や長崎原爆松谷訴訟に携わってきましたが、戦争の最中に7歳まで満州で過ごした経験がのちの自身の平和の原点であると述べました。現在は沖縄で嘉手納・普天間の爆音訴訟に取り組んでいます。
いまいちばん真剣に考えなければいけないのは安倍政権が着々と改悪の動きをすすめている憲法問題だと中村さんは強調し、狙われているのは米国と一緒に戦争できる国づくりと大企業が活動しやすい国づくりだと指摘しました。
本来、憲法は権力者を縛るものであるが、自民党改憲草案は国民を権力の下に置くという視点でつくられている。日本は天皇を戴く国家で天皇を元首。9条2項を捨て、国防軍をもち集団的「自衛権」の行使=戦争できる国家に変える。
一方、基本的人権は形の上では尊重されるが、「公益及び公の秩序」に反しない限りの条件付き。これは権力側の判断一つだ。いま画策されている「秘密保全法案」は知る権利、報道の自由を奪う、憲法改悪の先取りである。
また改憲草案は敢えて「家族は助け合わなければいけない」との規定を入れた。これは社会保障を減らして家族責任でという狙いがある。当然女性へのしわ寄せが来るわけで、モノを言う女性の社会進出を阻むつもりだろう。
もうひとつは大企業や国に従順な人間づくり。外国に太刀打ちできる一部の優秀な子どもを育成。「愛国心」植え付けの先は国のために戦場にいくとの思い。一方で、貧しい国民をつくり、兵士でしか食べられない状況がつくられつつある。2050年、日本の人口は最大でも9500万人に減少。65歳以上は40%になる。若者の数が少ないため兵士を強要される危険性が大きい。子や孫を守らなくてはいけない。
中村さんは最後に、安倍政権はファシズム世界に引きずり込もうとしている。騙されてはいけない。オリンピック誘致も「戦争への道」に走る政権の実態に目を向けさせない意味もあるだろう。必要なのは歴史を知ること、事実を知ること。憲法学習をして行動しよう。いま止めよう、と訴えました。
(2013年9月23日)