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原発・基地・憲法で自治体の反応別れる

 今年6回目となった自治体憲法キャラバン。昨年から全21自治体を訪問し、懇談することができるようになりました。しかし、長崎県だけが懇談拒否を続けています。

 今年は諫早市から始まり、ラストは壱岐市でしたが、21自治体を回ると自治体格差を感じることがありました。例えば諫早市は工業団地誘致は100%達成、有効求人倍率も県下トップです。さらに工業団地を新たに造成中です。他の自治体から見るとうらやましい話だと思います。島原半島や県北、そして離島では企業誘致ではなく、起業誘致で地域の活性化を目指していますが、離島などは高額な運賃の問題など解決しなければならない課題がたくさんあります。若い人の流出も大きな問題です。というのも、地元の勤め先が限られていることも厳しい現実があるからです。県の基幹産業である農業や漁業など第1次産業の振興で真剣に取り組む自治体もありますが決定打になっていません。

 さて、平和問題では長崎市の平和行政を参考に、県下自治体で8月9日を中心に平和行事が取り組まれています。佐世保市では佐世保大空襲を祈念して、市役所ロビーを使った写真パネル展を開催していました。しかし、米軍や自衛隊の基地問題では、大村市も含めて、基本的に国の防衛政策に協力しているとして、懇談に対して慎重で議論を避ける傾向が強く、事実上かみ合っていない状況です。ただ佐世保市は今年のキャラバンで最大級の担当者(26名:上写真)を配置して懇談に臨むなど、雇用問題や福祉問題ではていねいな回答が用意されていました。自衛隊基地が5部隊ある対馬市では、人口の減少傾向に歯止めをかけるために、数年前まで自衛隊基地の増設・拡張を陳情するなどの動きがあった時期がありました。隊員やその家族の転入で人口増加に結びつけるものでしたが、現在は取り組んでいないと明確に答えました。

 原発問題でも懇談を行いましたが、自治体で反応が分かれるところです。玄海原発30キロ圏内の松浦市、佐世保市、平戸市、壱岐市でもスタンスに差があります。壱岐市の白川市長(下写真、左端)は「原発再稼動反対」の立場を語り、再稼動申請にあたって事前に協議がなかったとして九電の対応を批判しました。

 なお、今回は改憲問題で、明確に96条改憲に反対した自治体は南島原市の藤原市長、壱岐市の白川市長、佐々町の木原山副町長らでした。

 憲法を暮らしに活かす行政をめざして引き続き憲法キャラバンを続けていきます。

(2013年7月25日)