6月16日、県平和委員会は定期総会を開催し、全国理事でもある山下千秋さんが「日米軍事同盟の侵略的変質と実行拠点佐世保基地の実態」をテーマに記念講演を行ないました。
山下さんは、日米軍事同盟が地球規模に拡大され、「専守防衛」だった自衛隊がアジア太平洋で米軍と軍事活動を展開するようになる。その自衛隊に対して加えられるであろう攻撃に対応できるようにしていくのが「動的防衛力」だと指摘。佐世保ではその役割を西部方面普通科連隊が担い、潜水艦部隊の誘致も検討されている。一方で、LCAC新駐機場が完成、垂直離着陸機オスプレイを搭載する強襲揚陸艦ボノム・リシャールが交替配備されるなど、米軍の前進出撃基地としての機能強化も進んでいます。
山下さんは佐世保の歴史をひも解き、戦前はアジア侵略の拠点だった佐世保が、その反省の上にたった「平和宣言」を住民の圧倒的多数の投票で選択するという輝かしい時代があったことを紹介しました。しかし5ヶ月後の朝鮮戦争がその夢を打ち砕き、逆に自衛隊の海外派兵の突破口、米世界戦略の中心拠点とされてしまった。被爆県で平和市長会議に未加盟なのは佐世保市だけ。佐世保での市民の運動を強化することがひじょうに重要になっていると結びました。
総会議事では畑田事務局長が、被爆地でありながら米軍佐世保基地と陸自の西部方面普通科連隊など重大な自衛隊基地を抱える県の平和委員会として、「日米軍事同盟から脱却し、日米安保条約にかえて、対等・平等の日米関係を築き、日本国憲法を守って、平和で安全な日本を造る」ためにいっそうがんばろうとよびかけました。
討論では、日本平和大会に目標20人を超える24人を送り出したこと、5月の沖縄連帯宣伝行動の経験をふまえ、「平和委員会の活動が市民にわかるような行動が絶対必要。宣伝行動をできれば2カ月に1回ぐらい行ってはどうか」「その行動は、“安保と消費税”とか“安保と医療”、“安保と佐世保基地”などとテーマを決め、パネル等を展示してシール投票なども行い、市民と直接対話する方法がよいのではないか」など、平和委員会の存在感を示す行動をもっと旺盛に取り組もうとの意見が出されました。
仲間づくりでは、会員・平和新聞・平和運動誌とも昨年の全国大会時に比べて前進しました。
(2012年6月17日)