6月15日、「原発なくそう!九州玄海訴訟」の第1回裁判が佐賀地裁で開かれました。原告は5月末で4252人となり、この日は約450人の原告が集まり、代表4人が意見陳述しました。
原告団長の長谷川照さん(前佐賀大学長・原子核研究者)は、「福島の原発事故は人災であることを司法の場で明らかにし、原子炉の稼働停止、国のエネルギー政策の転換を求め、科学者としての社会的責任を果たしたい」と述べました。玄海町で、47年間原発反対でたたかってきた仲秋喜道さん(僧侶・元中学校教師)は、「原発の金は人も町も堕落させ、民主主義を破壊する。郷土は先祖から受け継ぎ、子孫に引き継ぐ預かりもの。二度とフクシマを繰り返してはならない」と語りました。4人の子どもを持つ佐賀市内の江下千恵さんは、「放射能の子どもへの影響が不安。お金よりも命、環境が大事だ」と訴えました。福島県郡山市から福岡に避難している弁護士の斎藤利幸さんは、「原発事故は、絶望と悲しみ以外何も生まない。福島の悲劇を避けるためには原発を止める以外にない」と力説しました。
九電側は、原発事故の原因や被害状況を「不知ないし争う」と書面回答。国も請求棄却を求めました。弁護団は、「具体的に認否すべき」ときびしく求めました。
弁護団は、法廷に入れなかった人たちのために別会場で、法廷でのやりとりを想定した「模擬法廷」を開催しました。佐賀地裁の歴史に残る原告が集まり、法廷内でも外でも圧倒したことを互いに確認しました。次回は9月21日14時から。
(2012年6月15日)