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基地のない日本をめざす運動を進めよう

安保60年:憲法守れ、安保破棄をめざす講演会

 4月24日、日米安保発効60年を前にして、県平和委員会と安保破棄実行委員会が安保学習会を企画しました。元参議院議員の小泉親司さんが「安保条約をなくして大丈夫?」と題して講演、約40人が聞き入りました。

【安保廃棄が必要なわけ】
 小泉さんは、なぜ安保条約をなくさなければいけないのか、3つの点から解明しました。第一に、日本経済をアメリカの従属下において自立的発展を阻害しているから。他の二国間同盟にはない日米安保の経済条項によって米国の要求どおりに日本の産業構造が変えられてきた。とくにTPPの背景にあるのは、EUから締め出され、中東で足場を築けなかった米国が、成長著しい中国に対抗してアジア太平洋での経済活路を求めていることだと指摘しました。第二に、基地被害を国民に押し付けて日本の主権を侵害しているから。空母の母港や海兵隊の前進基地など世界に例のない異常な状態。ドイツや韓国などは米兵が数分の一になったが日本だけは減らさない。第三に、軍事費の増大で国民生活を圧迫しているから。安保の3条で軍拡を義務づけ、戦力不保持の日本が世界第6位の軍事予算を持ち、米同盟国が拠出する維持費の半分以上を日本一国で負担している。さらにはグアムへの米軍移転費まで支出。

【安保廃棄後の展望は】
 安保をなくした時の展望を語ることが大事と小泉さん。安保の解消は10条でできるが、なくすのは軍事同盟で、米国との関係はいまの日中や日韓のような友好条約に代えるだけ。NHK世論調査では「安保は役立っている」という声が70%。しかしこれからの安全保障は「アジアの多くの国々との関係を軸に」が55%も。
 安保をなくせば基地の重圧から解放され、経済発展の自主的自律的発展が勝ち取れる。実際に沖縄県北谷町では、基地撤去後の雇用や税収が数十倍にもなっている。フィリピンのスービックは米軍が完全撤退して20年になるが、基地跡地に1000社もの企業が参入して雇用も増大。経済特区して発展を遂げている。

 小泉さんは県内でも安保の学習運動を旺盛に展開し、TPPなどを切り口に安保の本質を知らせ、「安保は役立っていない」という世論を広げようと呼びかけました。

(2012年4月25日)