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原点に立ち返り、憲法自体の議論を

城山憲法九条の会7周年のつどい

 2010年5月に「国民投票法」が施行となり、衆参両院で改憲派が2/3以上を占めている現状ではいつでも改憲案を提出できる状況にあります。政権交代で改憲論議は下火となっていましたが、東日本大震災を契機に憲法「改正」の動きが着々と進んでいます。
 2月18日、城山憲法九条の会は結成7周年のつどいを開き、井田洋子さん(長崎大学経済学部教授)が「憲法改正を巡る現在の状況」と題して講演しました。
 井田さんは憲法の条文の掲げた理想と正反対の現実がある。しかも反対の声を押し潰そうとする動きが強まっていると指摘しました。(以下、講演概要)

【日本の改憲論議の最大のポイント】
 一般的に憲法改正とは憲法の一部を変えるのが普通だが、日本の場合はこれまでの憲法観を全否定し、新しいの憲法をつくるという意図がある。最優先課題は9条改定だが、個人の自由と権利を守るために国家権力に制限を加えるという、近代以降の憲法観・国家観をくつがえし、古い価値観を国民に押し付けようとしている。橋下徹氏らの「維新」「八策」はまさに明治国家=独裁政治への復古を思わせるネーミングといえる。その中身も大阪の条例案や職員思想調査などに見られるように「強制していい」という前近代的な国家観だ。

【改憲派を勢いづかせた「3.11」】
 東日本大震災を契機として衆参の憲法審査会が活動を開始した。改憲の口実として緊急事態への対処をあげるが、法律で対処できるもので阪神淡路大震災後に整備をしてこなかった政治の怠慢。これは「移動の自由」をはじめとする人権制約につながる危険性がある。また自衛隊の活動が認められてきたとして、その位置づけを明確にするために早期改憲を主張する声が高まっている。しかし逆に「自衛軍」に災害出動等の任務が明記されるかどうか疑問。

【埋められていく外堀】
 野田内閣は「特別秘密」漏えいに対する処罰の厳罰化を図り、言論の自由を侵害する「秘密保全法」成立をねらっている。継続審議になっている「共謀罪」創設と併せて市民の活動に対する萎縮的効果が絶大となる。また衆院比例区の定数80削減の画策など、民意をいっそう歪めて護憲派の一掃をねらっている。

【改めて憲法を議論しよう】
 「9条を守る」運動だけでは負ける。現実と照らし合わせ、憲法に何が描いていないのか、描いてなければ実現できないのかを議論して理論武装する必要がある。ドイツ憲法でも環境権は描いていないが環境立国になっている。文言が問題ではなく、どう理解するのかという点が大事なこと。もう一度一から考えてみよう。

(2012年2月19日)