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歪んだ日米関係を目の当たりに

佐世保基地行動に行ってきました

 10月30日、日本平和大会のプレ企画として佐世保基地調査行動に取り組みました。あいにくの雨でしたが、佐世保原水協の山下千秋理事長のガイドのもと、LCAC基地や針尾米軍住宅、釜墓地、前畑弾薬庫に立神地区のSSKドックなどを回り学習を深めました。

 佐世保には何度来ても、「佐世保はいい街だな〜」と思います。でもそれは「基地がなければ」という条件付きなのが残念です。港を眺めれば軍艦が目に入り、平坦な土地にあるのは基地関連施設・・・。戦前からの軍事都市である佐世保にとって、それが「当たり前」の風景だったのだと思うと、「基地をなくし・・・」という運動が市民多数になるには、一種のコペルニクス的転回が必要なのかとも一人考えていました。

 佐世保基地調査行動に参加したのは、昨年の平和大会の基地ガイド養成講座以来2回目です。内需が振るわず不況が続く日本の中で、米軍基地関連事業は別格のようです。LCAC基地の工事は粛々と進み、高速道路も街のど真ん中に開通しました。福祉・教育の充実など市民の切実な要求には中々首を縦に振らないのに、基地関連事業だけはどんどん進めるこのあり方は、「誰のための政治なのか。誰が主権者なのか」と思わずにはいられません。アメリカの為なら、日本にとって生命線となる産業でも、アメリカに有利な条件で規制緩和する、TPPと全く同じ構図です。

 雨の中、釜墓地にも行きました。第2次世界大戦の海外戦没者の遺骨は、半分近くが遺族の元に戻っていません。未だ終わらぬ戦後。それをあざ笑うかのように、釜墓地周辺には、米軍の都合で米軍住宅や道路が次々と整備されていきます。政府は遺骨収集の責任を放棄しておきながら、一方で私たちの税金を米軍に献上し続けています。

 佐世保には、歪んだ日米関係の縮図が分かり易く現れているのだと感じます。ということは、「佐世保が変わるとき、日米関係も変わる、日本も変わる!」のではないでしょうか。

(2011年10月31日)