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ガイドを行って感じた運動の大切さ

原水爆禁止世界大会・佐世保基地行動

 佐世保基地行動には全国から約420人が参加しました。大部分は初めての佐世保基地行動の模様。青年から年配者まで、あらゆる年代層からの参加でしたが、青年層の参加者が今まで以上に目立ちました。

 私たちは朝6時に佐世保を出発しました。バス11台にガイド役18人が乗り込み、長崎駅前を8時30分に出発。佐世保までの約1時間、佐世保が軍事基地の街として栄えてきた歴史から、戦中・戦後、そして現在の状況をなどを説明。「今日の基地調査では、その実際の姿を貴方の目で確認してください」と強調しました。大村付近では自衛隊基地、川棚では旧海軍の特攻基地の説明も行いました。

 佐世保に入ってからは、3コースに分かれて行動しました。弓張岳展望台では、強襲揚陸艦エセックスなど米軍艦船が真下に見えるメインベースを目の当たりにしました。生憎の雨天のためガスがかかって眺望がいまひとつでした。

 メインは船で45分間、港内を廻っての調査行動でした。船上では佐世保原水協の山下千秋理事長が佐世保基地について詳しく説明。アメリカの世界戦略の中で、補給基地機能に加えて、出撃基地、自衛隊との共同作戦基地として更に強化されていることを強調しました。

 立神の新岸壁にはエセックスが接岸していました。米軍の護衛艇が岸壁からかなり離れた海面で見張っていました。調査行動の船はエセックスを遠く避けて運行。日本の港なのに日本の船が米軍に遠慮して航行させられる、屈辱的な対米関係の現実を実感しました。

 赤崎・庵崎の貯油施設、建設工事の進む西海市横瀬のLCAC新駐機場、針尾島の弾薬集積所、米本土以外では唯一佐世保に配備されている崎辺のLCAC駐機場、民家が目と鼻の先にある前畑弾薬庫、浚渫工事を行い3000トン級の護衛艦6隻と掃海艇4隻が同時係船できる岸壁ができた自衛隊の倉島地区など、佐世保港沿いにある米軍・自衛隊基地を船から間近に見ました。

 最後は陸路、針尾の米軍住宅の前を通り、戦後約130万人を迎え入れた針尾の浦頭引揚記念資料館を見学し、「悲惨な戦争を二度と繰り返していはならない」という引揚者と同じ思いをかみしめました。

 私たちは数回の学習会を行い、日ごろの勉強を重ねた成果を活かして一生懸命案内を行いました。米軍基地の増強ぶりをつくづく感じ、また感想文を見て、あらためて基地をかかえる街として平和運動の大切さを感じました。

◎寄せられた感想文から
「想像をしていたより米艦船が多く、日本じゃない雰囲気と、現代でなく、戦時中と思うような雰囲気でした」
「文字や文章や写真だけではなく、直接言葉を聞き、自分の目で見て感じることの大切さを実感しました」
「事実を知り実際に行動にうつすことが必要。今回の基地行動をきっかけに、主体的に動き始める人が大勢生まれることに期待します」

(2011年8月12日)