4月5日、福島原発事故の影響を避けて洋上でメンテナンスを続けていた米原子力空母ジョージ・ワシントンが佐世保港に寄港しました。午前6時40分には向後崎に姿を現して停止。午前7時から動き出して港内に進入、35番錨地に停泊しました。
佐世保市平和委員会と原水爆禁止佐世保協議会は入港する空母が見渡せる佐世保市野崎で抗議集会を行いました。「寄港反対」の横断幕を掲げた参加者は入港にあわせて「寄港反対!」、「アメリカに直ぐ帰れ!」のシュプレヒコールをあげました。
今回の入港は従来とは大きく異なり、洋上メンテナンスに伴う「人員の交代や部品調達」が目的で甲板には戦闘機の模型(消火訓練用)が1機、搭載されているだけでした。
ジョージ・ワシントンは横須賀基地で定期のメンテナンスを受けていましたが東日本大震災での福島第一原発の放射能漏れ事故の影響を避けるために、3月21日に横須賀を離れ、日本近海で作業を続けていました。
報道では466人の民間作業員らが乗船しており、佐世保港で物資を搬入したほか、作業員ら計353人を艦から降ろし、別の作業員114人を乗せたといいます。つまり修理はまだ終わっていない状況のまま佐世保に寄港したわけです。それで安全な航行が保てるのか、船内に放射性廃棄物を搭載したまま寄港したのか、不安は募る一方ですが外務省は回答していません。福島第一原発事故で放射能に対する不安はかつてないものとなっているにも拘らず佐世保市も結局は容認姿勢です。
ジョージ・ワシントンは5日午後4時に出港予定でしたが、実際には翌6日午前10時の出港となりました。
一方、被災地を支援する米軍の「トモダチ作戦」の任務にあたっていた原子力空母ロナルド・レーガンは4日に任務終了となり、4月中旬に4、5日程度、休養などのため佐世保への寄港を検討しているといいます。
短期間に2隻もの空母寄港はかつてないことで、原発事故を口実に佐世保を「臨時母港」として利用し、準母港への着実な地ならしと考えられます。
(2011年4月6日)