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福江島にスパイアンテナ装置建設へ

 11月29日、五島市は同市三井楽町の空自福江島分屯基地に南西方面の情報収集を行う「地上電波測定装置」(J/FLRー4)を防衛省が建設することを明らかにしました。

 「地上電波測定装置」は外国の航空機やミサイルサイト、航空・火器管制などの無線通信情報を傍受し、分析するスパイアンテナ装置です。蓄積された情報から、どのような航空機がどんな信号をどんな目的で送信しているかわかるようになるといいます。

 70年代はソ連の情報収集目的で北海道の稚内、根室、奥尻島の分屯基地に設置しました(FLRー3?)。近年は、朝鮮半島の動向に対応するためとして、佐賀県の背振山分屯基地に新型のFLRー4を設置し、06年度に運用を開始しました。そして中国を含む「南西方面の情報態勢の強化を行う」ためとして沖縄県宮古島分屯基地に最新鋭のFLRー4Aを05年度に着工、09年度に運用を開始しています。製造は東芝です。

 全国で6番目、FLR-4としては3基目となる福江島の「地上電波測定装置」は既に設計作業に入っていて、11度に着工し、14年度までに完成させる計画といいます。
 報道では、福江島分屯基地が設置場所に選ばれた理由として、南西方面の情報を収集する上で立地条件や周辺環境が良かったこと、施設整備のためのスペースがあったことをあげています。

 米軍用電子機器の命名規則によればアルファベット3文字はそれぞれ、プラットフォーム、種類、目的を表します。この場合は
 F - 地上固定 L - 電波妨害排除用 R - 受信用/受動探知用

 米軍三沢基地やキャンプ・ハンセン内の通称「象のオリ」と呼ばれるスパイアンテナ群も同じジャンルのもので、こちらはAN/FLR−9と命名されています。

 宮古島の施設は他に比べて巨大なもので09年9月に竣工しました(05年度着工;事業経費約70億円)。防衛省資料によれば施設は局舎と2つの空中線タワー、隊庁舎からなり、規模は以下のようになっています。

 局舎     鉄筋コンクリート造5階建(約3,100m2
 空中線タワー 鉄骨造4階建(約600m2
 空中線タワー 鉄骨造5階建(約500m2
 隊庁舎    鉄筋コンクリート造3階建(約3,500m2

 局舎は六角形を2つに割ったような形状で屋上に2つの小さなレーダードームがあります。空中線タワーはサイロのような形状で直径がそれぞれ約20メートルと15メートルほど。これら3つの施設は窓が全くなく、全体が緑に塗られていて、中の装置は航空機がやり取りするさまざまな周波数の電子信号を傍受できるといいます。

(2010年11月30日)