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「新岸壁」を佐世保基地に提供
「旧岸壁」の返還期日は未定

 10月21日、日米合同委員会は佐世保海軍施設に建設中だった「新岸壁」を米国政府に提供することを決定しました。

 提供されたのは約5・8万平方メートルの土地と消火ポンプ室1棟、電気室2棟など計10棟1400平方メートルの建物と附帯施設。
 附帯施設は門、囲障、水道、下水、築庭、舗床、照明装置、冷暖房装置、通風装置、消火装置、通信装置、貯槽、土留、電話線路、電力線路、空気供給管路、諸作業装置及び雑工作物。
 この決定によって米海軍は長さ520mという使い勝手のよい岸壁を手に入れることになりました。

 しかし、本来、「新岸壁」と引き換えに日本に返還するはずの立神岸壁の3〜5岸壁の一部約4600平方メートル(長さ505メートル)は依然として米軍の下にあります。

 この10月1日、佐世保市は財務省に同岸壁の返還とSSKへの売却を求める要望書を提出しました。また財務省は佐世保市にSSKへの売却に対する意見をまとめた「副申書」の提出を要請。佐世保市は21日に市議会基地対策特別委員会を開いて、副申書を提出することについては全会一致で賛意を表明しました。ただその内容は未定です。

 報道では、副申書の提出後に旧軍港市国有財産処理審議会が開かれ、米への返還要請と返還後の売却の可否が決まるといいます。そして正式返還にはその後も、日米間で返還条件を協議して合意されることが必要で、まだまだ時間がかかると見られます。

 「新岸壁」が完成したのがことし3月です。完成時期の見通しは十分あったわけで、返還協議がなぜ進められなかったのか、なぜ代替の「新岸壁」を先に提供したのか、大きな疑問が残ります。返還されない限り、SSKは年間5000万円の岸壁使用料を米軍に支払い続けることになります。

(2010年10月22日)