9月30日、佐世保問題現地連絡協議会(県と佐世保市、九州防衛局、海上自衛隊佐世保地方総監部で構成)が開かれ、九州防衛局は11年度予算の概算要求として佐世保における「すみ分け」事業に約7700万円を要求したことを明らかにしました。内訳は次のとおり。
LCAC新駐機場の建設費はすでに今年度分の約86億円で終了しており、11年度要求分は移転にともなう環境影響評価の事後調査費、西海市に支払う給水負担金など約1600万円といいます。
すでに護岸工事、敷地造成工事が終了しています。今年度発注済みの工事は試運転場整備(24.6 億円)、洗機場新設等(5.9 億円)、整備格納庫等(7.6 億円)。他に工場や管理棟新設など約20件の入札が予定されています。
LCAC新駐機場12年3月末には完成する予定です。これを見越して西海市では、2000年に旧西海町が国と結んだ協定書を更新して「当時の内容にさらに(時代に合うように)肉付けする」方向で九州防衛局に申し入れる動きが出ています。合わせて工事で使用する資材やコンクリートは市内の業者が入れるよう配慮を求めるなど振興策を国に要望しています。
一方、「すみ分け」事業で残っているのは、佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)の機能を針尾弾薬庫に集約・近代化する計画のみとなりました。11年度要求額は今年度と同額の約6100万円。弾薬庫建設の基本設計(配置計画)にともなう、模型を使った爆破実験の追加実施費で、安全性が確認されるまで行ない、設計完了時期は不明といいます。
米軍のための弾薬庫近代化に税金を投入するという前代未聞のこの計画の総経費は1000億円を超えると見積もられています。これまで佐世保基地に投入されてきた基地建設費に匹敵するものです。
(2010年10月1日)