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食卓にも安保!?食糧と安保の深〜い関係

アンポがみえる連続学習講座 第2課

 6月24日、講師に横林和徳さん(県高教組元委員長)を迎えて、『日米安保条約と日本農業』について話をしていただきました。横林さんは在職中から農業と向き合い、退職後は農民組合に加入して、ブルーベリーや梅の栽培を続けておられます。

 横林さんは日本農業がずたずたにされていく過程を、戦後の対日政策から今日まで段階的に解説し、私たち自身が食糧・農業政策を決定する「食糧主権」を確立していこうと訴えました。

◆口火は占領期の食料政策
 敗戦後まもなく、アメリカは学校給食に脱脂粉乳を使い、食品の味を覚えさせ、国民の悪い習慣を変える方針を示しました。そしてアメリカの余剰農産物の処理のための学校給食法が制定されます。

◆日本の食を蝕む「アンポ」の本質
 1960年に改定された安保条約には「国際経済政策における食い違いを除く」「経済的協力の促進」という経済条項が盛り込まれました。
 これをうけて経済協力実施のための「自由化計画大綱」が閣議決定。61年には農業基本法が制定され、輸入農産物の米国依存=自給率の低下を招くといった、完全に日本の農業政策をアメリカに依存する構造が整備されたのです。

◆ガット「牛肉・オレンジ・果汁の自由化」
 1983年の日米首脳会談で中曽根・レーガンが合意した日米諮問委員会は、「市場の一層の開放、農産物の自由化促進」などについて報告。以後、関税撤廃・引き下げや、輸入手続きの簡素化、検疫の簡略化など、ズルズル大甘の政策がとられることに。
 さらに86年の「前川レポート」がそういった政策を加速させることとなり、政府・財界・右翼労組の動きも加わり、「日本は風圧をかければいくらでも折れる」(ヤイター通商代表)ありさまです。

◆留まらないアメリカの圧力
 アメリカの圧力は留まりません。WTO協定を盾にしてさらなる輸入枠の拡大などを迫り、86年のウルグアイラウンド交渉での農業保護措置の撤廃や関税率引き下げなどで決着。
 さらにはFTA(地域的な自由貿易協定)、EPA経済連携協定など新たな市場開放政策が進められ、今回の参院選の公約では、民主党・自民党とも、着実に取り組むと発表しています。

◆「食糧主権」確立の展望こそ!!
 「食糧主権」とは、すべての国と民衆が自分たち自身の食糧・農業政策を決定する権利。国内生産と消費者保護のための輸入規制、貿易よりも国内・地域への食糧供給を優先、等の対案が検討されています。

 参加者からは「食もそうだが、アメリカは良いとの考えが刷り込まれてしまっている」「余剰農産物の日本への押し付けなど、従属状態にあることを実感した」「生産者を支え、農業を建て直すことが必要。そのためにも安保破棄が急務」「食は死ぬまで必要なもの。食からアンポを訴えていけばたたかいの展望が開けるのでは?」など、感想や意見が出されました。
 「安保」が持つ軍事的な危険性に目を奪われがちですが、第2条の経済条項が如何に日本の食糧政策や農業政策などに食い込んでいるのかがよく理解できた学習会でした。

(2010年6月25日)