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日米安保を学び学び、そして学ぼう

畑田重夫さん、“日米安保=諸悪の根源”を大いに語る

 6月5日、ながさき平和委員会の定期総会が開かれ、日本平和委員会代表理事の畑田重夫さんが記念講演ーー“いま見える!私のくらしとアンポ、フテンマの関係”。安保条約の諸悪の根源ぶりを語っていただきました。ユーモアを交えた約2時間にわたる講演は参加者を元気づけるものでした。以下、講演概要です。

○原点は青年学生時代の戦争体験

 大学1年で甲府の陸軍部隊に入隊。同期の学友たちはみんな戦死した。体が弱かったために陸軍病院送りで1人だけ生き残る。だからこそ命を大事にしたい。一日でも1分1秒でも、元気で長生きして、平和と民主主義と社会進歩に貢献したいと思っている。

○憲法の輝きを妨げる日米安保

 憲法9条2項は世界に誇るべきものである。陸海空その他の戦力の不保持とは、核兵器や軍事基地、軍事教育など戦争に関連するものはダメということ。憲法には「いのち」がいっぱいこめられている。人々の汗や涙、戦死した遺族や被爆の想い。その重みがある。

 しかし憲法が輝けない。それは安保が妨げているからだ。そしてその矛盾が来るところまで来てしまったのが「4・25沖縄県民大集会」。

 普天間基地は本土決戦に備えて米軍がつくった1番古い基地であり、日米の象徴的な姿を映している。いま安保問題を徹底的にやらないと日本の未来が展望できない。

○日米安保の成り立ち〜20世紀の遺物

 第二次大戦後、アメリカは軍事同盟によるソ連封じ込め政策をとる。アジアでは北東アジア条約機構を計画したが、日本が中国・朝鮮を侵略していたことで失敗。代わりに日米、米韓の二国間軍事同盟ができあがる。

 一方のソ連も軍事同盟で対抗して世界は軍事ブロックどうしの対決となった。しかし軍事同盟は次々と姿を消し、20世紀の遺物となった。日米安保もだ。

○60年安保闘争の輝き

 発達した資本主義国で米従属の日本の60年安保闘争が、新植民地主義下の国々に大きな影響を与えた。南ベトナム解放民族戦線の成立、韓国の李承晩政権崩壊、アフリカ諸国の独立など。

 そしていま派遣切りをはじめ、自殺大国、借金大国、犯罪大国となってしまったことで安保闘争が再び理解され始めている。

○台所から軍事基地まで、諸悪の根源は安保

 2条の経済協力によって日本の農業は大打撃を受けた。自給率は4割を切り、後継者問題も深刻。国民の食生活も変えられ、生活習慣病も。また年次改革要望書を忠実に法制化し「構造改革」を進めて貧困と格差の国になってしまった。

 3条は軍事費増強の義務づけ。間接的に医療、福祉、教育へのしわ寄せに。

 6条は日本のどこにでも基地をつくれる仕組み。他国は具体名で限定している。

 CIAが暗躍して政治家も学者も労働組合幹部もアメリカに買収されるなど安保の根は深い。

○安保を廃棄して憲法輝く日本を

 安保も新ガイドラインや共同宣言などによって形骸化されている。しかし安保闘争のトラウマで条文は変えられなかった。

 10条の終了規定を利用しよう。通告だけでいい。日米協議もいらない。しかし世界の非核平和の流れの中、文字通り対等平等な条約をつくっていくことが必要。

 これからの様々な課題について学習の徹底が求められている。学び学び、さらに学ぼう!

(2010年6月6日)