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あらためて日本国憲法の意義を考える

「ながさき9条フェスタ2010春」開かれる

 憲法記念日の5月3日、「ながさき9条フェスタ」が、長崎市公会堂で開かれ、市民約700人が参加して憲法の意義についてあらためて考えました。

 フェスタの幕開けは、「我が窮状」「ねがい」の合唱で始まりました。公会堂の1階席がほぼ埋まる中、「憲法改正国民投票法を前に、現憲法の意義を改めて考える」と題して、井田洋子氏(長崎県九条の会事務局長、長崎大学経済学部准教授)が記念講演を行いました。

 井田さんは、憲法とは「国家の根本規範であり、その国の価値観の表明」だとその意義を明確にした上で、日本における改憲論議について質していきました。

 憲法改正は、その時々の人民の恣意的な判断による改正を避けるため、憲法改正手続きを通常の法律改正手続きより困難にしており、改正事項それ自体に制限を設けている。しかし憲法施行以来、政府自らが改憲を志向して改憲論議を牽引してきた点、さらには全面改正を主張する点が、日本の改憲論議の特徴だとしました。憲法施行当時は「押し付け憲法論」に基づく主張が主流であったが、東西冷戦が終結した1990年代以降は、「新しい時代に即した新しい憲法を」という主張に取って代わるようになった。

 そのいった動きの中で、日本国憲法の最大の特徴である、究極の平和主義=9条に対して、解釈憲法(自衛隊は必要最小限の実力。個別的自衛権行使は可能)を持ち込み、条文の精神を事実上骨抜きにされている。とりわけ有事法制の整備は、法治国家として理論的にありえないと述べました。しかし、それでもなお、明文改憲されなかったということは、それだけこの条文が多くの人民によって支持され続けてきたと評価できるとしました。

 その憲法改正のための法整備として、今月18日に施行される「国民投票法」は、07年の安倍政権による強行採決で採択されたが、その成立過程をみても、3つの附則、18に及ぶ付帯決議が出されたことでもわかるよう問題点の多い法律であること。それも何一つ論議・検討されることもなく施行されようとしていることに対して、鳩山首相への「施行中止を求める要請書」を同フェスタ実行委員会名で提出したことが報告されました。

 その後、ザ・ニュースペーパーによる「番外編」のコントが繰り広げられました。

 TVで見たまんまの鳩山首相、麻生前首相、「鼻筋は通っているが、話しの筋が通らない」小泉元首相、さらにおば様方に人気のニューフェース・小泉進次郎も登場。オバマ大統領も来崎し演説を始めるなど、観客とのやりとりもあり、楽しい政治の時間を過ごしました。あっという間の1時間が終わり、舞台には県内でがんばっている各九条の会が登場し、それぞれあいさつしました。

 フェスタ終了後は、参加者はのぼりや風船を手に鉄橋までピース9ウォークを行い、平和をアピールしました。

(2010年5月4日)