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米軍岸壁が完成 SSKへの返還時期未定

 4月20日、九州防衛局は、米海軍佐世保基地のジュリエット・ベースンに造成していた米軍専用岸壁が完成したことを明らかにしました。これは佐世保の基幹企業である佐世保重工業(SSK)と米軍の「岸壁競合」を避けることを口実に、200億円以上の税金を投入したものです。(報道では総事業費は約170億円)

 1992年の強襲揚陸艦ベローウッド配備以降、SSKと米軍の間で岸壁使用をめ
ぐる競合問題が激化。SSKは米軍の都合で何度も追い立てにあい、船舶の移動に伴う曳船費用、動力設備費、遊休時間などで大きな損益を受けてきました。

 新岸壁完成後、インディア・ベースン内の143m+362mの岸壁がSSK専用となります。新岸壁は”長さ”こそ従前と同じ規模ですが、広さは返還する土地の12倍の5.7haとなります。受電システムや通信設備も整備され、とりわけ520mの“直線岸壁”はこれまでの“L字型”に比べてその利便性は飛躍的に向上します。そして広大な土地には今後、様々な施設を建設することが可能となります。

 これはもともと米軍のマスタープランに描かれていたものでした。米軍は横暴を押し通すことで使い勝手のいい専用岸壁をタダで手に入れることになりました。

 本来であれば、新岸壁の完成を持って、米側への提供とSSKへの返還が日米合同委員会で合意されるはずです。しかし、返還について「米海軍やSSKとの間で返還条件が決まっておらず、時期も未定」と報道されています。着工から丸6年、時間はたっぷりあったはずです。

(2010年4月21日)