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米軍基地は大村にいらない!

地元住民が普天間「移設」に絶対反対の意志を確認

 4月9日、普天間基地の移設候補地と取りざたされている大村市で、地元の西大村地区町内会長会が移設反対の集会を開き、200人を超す市民が参加しました。

 集会には、大村市長はじめ大村出身の代議士や県会議員がひな壇に上がり、多くの大村市議たちは前列に陣取りました。

 渡辺事務局長が経過報告を行ない「大村には来ないのではという意見もあったが、今の時点ではむしろ来る可能性が強い中、大村NO!だという市民レベルで大きく声を上げる場を作ろうという事で、集会を持つことになった」と述べました。

 松本崇市長は、「20年以上にも及ぶ海自ヘリの騒音対策にやっと着手されようとする時、普天間移設の話が持ち上がった。一歩でも許すとどんなに拡大されるかわからない。市議会でも全員一致で反対決議がされ、県知事も反対という共同歩調を取っている。騒音問題、治安の不安などから、花と緑と歴史の町を守るため、一丸となって反対運動をし、先頭に立って頑張る」と力強い挨拶をしました。

 ひな壇に居並んだ中には、この集会を自分達の選挙戦さながらの場のように振る舞う議員の姿も見られました。

 「大村への基地移転は、地元出身の(民主党)の犬塚先生にも相談があったのか。相談無しでこんな大変な事をして良いのか…。県会議員にも何の相談もなく寝耳に水だ。民主党が政権を取ったからこそこのような話が出た。自民党政権ならこういうことはなかった」という発言には野次怒号が飛び交い、騒然となりました。その中で、いつもは冴えない市長の発言は、少なからずも心強かったように思えました。

 制限された時間の中、会場からも「沖縄の人に押し付けるわけではない。基地撤去をし、米国へ!」「大村全体の反対集会を!署名活動を!」などの発言が相次ぎました。

 集会は最後に「米軍の大村基地移設反対!訓練基地移設絶対阻止!」の意志を示す決議文を採択しました。

(2010年4月10日)


決議文

 本日、私たち西大村地区住民は、日本政府が進めようとしている、米軍普天間基地の移設計画案に伴う、国内移設、とりわけ海上自衛隊大村航空基地への移設について、絶対反対の意思を確認した。

 それは、政府が現状の報道では、普天間基地そのものの代替え基地として海上自衛隊大村航空基地は候補地に挙がっていない模様であるが、その米軍の訓練地としては引き続き候補地になる事が完全には消えていない。こうした事は、事前に地元住民には何の情報も開示せず、いきなり上から決定する手法で、憲法に保障する主権在民の思想から、真っ向に反する、正に戦前の土地強制収容的な発想であり、断固として認められないものである。

 また、候補地とされる海上自衛隊基地周辺土地住民は、戦前の強制収容からやっと平穏な生活をとりもどしたやさきに、さらに二回にわたり大きな被害を受けようとしている。

 それは、第一に、現在でも政府が定めた騒音の環境基準を大きく超えた「騒音」の被害である。現在でも基準値を大きく超えて、日常会話さえままならないの、さらに大型の戦闘用軍事ヘリが大量に離・発着訓練すれば、現在の普天間基地周辺の二の舞いとなりかねない危険性があることは明らかである。また基地周辺は、居住地のみならず小学校や中学校・高校・郵便局、さらに市立病院、等があり、これらが騒音被害にあることは明らかで、絶対に認められないことである。

 第二に、軍事用ヘリは、常に事故との隣り合わせである。今から六年前の二〇〇四年八月一三日、普天間基地のヘリコプターが隣接する沖縄国際大学に墜落炎上し、校舎を焼き、破片は四〇〇メートル先まで飛び散る事故が起きている。死者こそ出なかったものの、墜落事故直後から周辺は海兵隊が銃を持って道路を封鎖し、住民はもちろん、学長や学生、県警さえも立ち入ることは出来ない状況であった。

 こうしたことは常に起こりえる事態であり、現在の大村市の現状を考えると、基地の受け入れは絶対に認められないことである。

 第三に、米軍基地が移転されると治安の変化が心配される。
 一九九五年九月四日、三人の米海兵隊員が十二歳の女子小学生を誘拐し、性暴力を加える事件が起きている。米兵は、レンタカーを使い、粘着テープで目や口をふさぎ、手足を縛って少女を連れだし暴行を加えた。しかも米軍は米兵を「日米地位協定」を理由に身柄引き渡しを拒否した。こうした事態に沖縄県民は十月に「米軍人による少女暴行事件を糾弾し日米地位協定の見直しを要求する沖縄県民総決起集会」を八万五千人規模で開催しその後の沖縄基地問題に大きな影響を与えている。
 これは米兵の犯罪の一つの例にすぎないが、酔っぱらって深夜に「家宅侵入」したり、飲酒運転で事故を起こし、そのまま基地に逃げ込むなど、こうした危険な状態が、毎日続くことは絶対に許されないことである。これらは、大村市がかかげる「安全・安心なまちづくり」とは、相入れないものであり、絶対に受け入れられないものである。

 また、これら諸々の米軍基地による危険性のほかにも、軍事基地建設による海や陸による埋め立て被害や大村市の町としてのイメージダウンが考えられる。

 今、大村市のあるべき町の姿として、「花と歴史と技術の町大村」である。これを「花と歴史と米軍の町大村」にしてはならない!この大村市としてのイメージダウンははかり知れず、後世に悔いを残すことになりかねない!断固として米軍の大村移設を阻止しなければならない!

 今後私たちは、大村市民が団結して米軍基地の大村移転反対の声を大きくし、大村基地移転を阻止しよう!! 本日がその第一歩である! 大村市民全員が声を大きくして叫ぼう!

 米軍の大村基地移設反対!! 訓練基地移設絶対阻止!!

右決議する。

平成二二年四月九日
米軍基地は大村にいらない 西大村集会