3月15日付の『自衛隊ニュース』は、陸自西部方面隊が1月19日から2月25日までの間、米カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトン基地などで米海兵隊から手ほどきをうける実動訓練を行なったことを報道しています。
参加部隊は第12普通科連隊(鹿児島県国分駐屯地)と西部方面普通科連隊(佐世保市相浦駐屯地)の一部の計179名。米軍からは、第1海兵機動展開部隊が参加。陸自西部方面隊の派米訓練は5年連続で、毎回、西部方面普通科連隊が参加しています。第12普通科連隊の参加は07年に続いて2回目。
派米訓練の目的は従来どおり「多様な事態に即応する能力を高めるため、効果的な訓練施設等を有する米国に部隊を派遣し、経験豊富な米国から知識や技能を吸収するとともに、相互連携要領を実行動により演練し、特に島嶼部に対する侵略への対応のための戦術・戦闘能力等の向上を図ること」としています。
陸自装備は89式小銃、MINIMI機関銃、対人狙撃銃、無反動砲、対戦車誘導弾発射装置、迫撃砲の火器、また73式小型・中型・大型トラック、指揮通信車、高機動車、軽装甲機動車などの車両。
今回も米軍のLCACが使われ、『自衛隊ニュース』では上陸した米軍LCACから陸自隊員が軽装甲機動車を降ろす写真や、LCACで訓練場に上陸して射撃を開始する隊員の写真が掲載されています。
また米海兵隊は「実戦経験に裏付けられた『島嶼部に対する侵略への対応』に関する戦術能力と教育能力を有している」からそのノウハウを学ぶとしています。しかし米海兵隊に与えられているのは「殴り込み任務」であって「防衛任務」ではありません。
08年には沖縄の第1混成団(当時)も派米訓練に参加しています。明らかに中国を意識し、「島しょ防衛」を口実に、陸自の海兵隊化が進められています。
(2010年3月18日)